イチローWBC語る「選手たちの熱の入れよう」喜ぶ
いつか真の世界一決定戦に-。マーリンズ・イチロー外野手(43)が23日、オープン戦が行われているフロリダ州ジュピターでワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の未来について言及した。第4回WBCは前日22日に米国の初優勝で閉幕。第1回大会から日本の2連覇に貢献し、米国でも大リーガーとして17年目を迎えたイチローの願いとは。
メジャーリーグの本場、米国の初優勝で幕を閉じた第4回WBC。日米両球界を熟知するイチローは、今大会の盛り上がりを静かに喜んでいた。
「(ドミニカ共和国代表の)クルーズ(マリナーズ)は『この大会が本当のワールドシリーズだ』と話していた。そんな選手が実際に出てきた」
06年の第1回大会から、2大会連続で日本代表として出場。09年の第2回大会は決勝の韓国戦で決勝打を放ち「侍ジャパン」の2連覇に貢献した。歓喜の一方で、“世界一”の称号に思うことがあった。シーズン開幕前という時期もあり、強豪国の一流大リーガーは出場を辞退していた。それが今回は、様子が違った。
「選手たちの熱の入れよう。彼らが感情をコントロールできないような状態でプレーしているのを見た。米国の選手だって、(出場を)いいキャンプだったなんて言う人はもういないでしょう」
観客動員が初めて100万人を超えるなど、日本だけでなく中南米諸国も大いに沸いた。マ軍からも「メジャーNO・1飛ばし屋」のスタントン、イエリチが米国の優勝に一役買った。チーム内でもWBCの話題は多かったようだ。人気は確実に上がっている。
イチローは以前から、プロによる国別対抗戦の必要性を口にしていた。
「徐々に進んでいるというか、前に進んでいる感じはありますよね。大リーグ機構がこのイベントを大切に育てようと思ったら、絶対にそういう大会になりうる。そんな可能性を感じました」
09年大会の直後、イチローは胃潰瘍で故障者リスト入りしている。骨身を削って戦った証しだろう。
「20年後か30年後かは分からないですが、本当にこの大会に出たいというやつらが集まって、純粋に世界一の国を決める大会になってほしい」
選手たちのWBCのとらえ方は変わってきている。投手の球数制限や選手起用に制限はつくものの、今後はより多くの一流選手が出場を望むようになるだろう。イチローの理想は、そんな大会だ。