グローバル・ステージ・ハリウッド映画祭開催 水川あさみらが日本映画をハリウッドでPR
日本映画をハリウッドでPRするイベントにルーツを持つ映画祭「グローバル・ステージ・ハリウッド」が、チャイニーズ・シアターで11月1日から3日まで開催され、俳優竹野内豊と山田孝之がダブル主演する石橋義正監督による最新作「唄う六人の女」(2023年)が、オープニング作品として上映されました。
また、北海道のアイヌ民族が口頭伝承してきた叙事詩ユーカラをアイヌ神謡集にまとめた登別生まれのアイヌの少女、知里幸恵さんの実話を基にした映画「カムイのうた」が2日に上映され、菅原浩志監督らが出席。他にもクリエーターの発掘育成を目的に俳優小栗旬らが監督として参加した俳優山田孝之らが率いる短編映画プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS」(ミラーライアーフィルムズ)の第6弾も3日にお披露目されました。
日本映画以外にも、カナダの映画「グレテストハイツ」や台湾の映画「オールド・フォックス 11歳の選択」など国際色豊かな作品が上映され、たくさんの来場者が訪れていました。
元ワーナー・ブラザーズの幹部であるダグラス・モンゴメリー氏が設立した同映画祭は、2019年には「Japan Cuts Hollywood」として行われていましたが、コロナ禍を経て昨年からは日本映画を中心に世界のさまざまな文化を背景に持つコンテンツをアメリカに紹介するグローバル・ステージ・ハリウッド映画祭として開催されています。ハリウッドの大作を上映するのではなく、多様で面白いコンテンツをアメリカの観客に紹介することで、ストリーミングが台頭する中で埋もれてしまっている作品を世界の人に知ってもらうきっかけ作りとなればと、モンゴメリー氏はこの映画祭の趣旨について話しています。
1日に行われた「唄う六人の女」の上映会には、6人の女性の一人を演じた女優水川あさみと石橋監督が日本から参加。上映後にはQ&Aが行われ、セリフのない役柄を演じることの難しさなど撮影秘話が披露されました。
また、2日に上映された「カムイのうた」でも上映後に菅原監督らによるQ&Aが行われ、差別や迫害で失われた文化を継承していくことがいかに難しいのか、また令和となった現在も続く差別についてなどが語られ、参加者が熱心に聞き入る様子が見られました。日本政府が2019年にアイヌの人たちが先住民族であるとの認識を示したアイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法則「アイヌ施策推進法」を執行したものの、多くの人が今なおアイヌ民族のことについて知らないと菅原監督は話し、アイヌの人々が自分たちのアイデンティティーを示すことができずにいることに触れ、「世界中の誰もが、自分がどこから来たのか、自分は誰なのかアイデンティティーを示すことができる社会になって欲しい」と話し、会場からは大きな拍手が沸き起こりました。
【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)
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◆千歳香奈子(ちとせ・かなこ) 1972年札幌生まれ。92年に渡米。96年に日刊スポーツ新聞社アトランタ支局でアトランタ五輪取材をアシスタント。99年6月からロサンゼルスを拠点にハリウッドスターのインタビューや映画情報を取材中。