香川は連覇に「お芝居で賞をいただくのが、しっくりこないんです」と話した。主演の松本潤(34)をはじめとする共演者やスタッフとともに、せりふ回しやテンポの大事なドラマをどう展開させるかに集中していたからだ。「芝居のことを考えてるのは0・1%でした。99・9%、現場を回すこと、そっちばっかり考えてました」と、ドラマタイトルにからめて笑わせた。
刑事事件の事実を追う弁護士たちがオフィスや現場で議論したり、オヤジギャグを応酬するのが見どころの1つ。「好きなことを好きにしゃべる規格外のドラマ」だったという。ただ自由にしゃべるというのとは違う。間や動き、とことん考えた。
「自分の出番じゃなくても、台本のことをずっと考えていました。地力、瞬時の判断力がないとできませんからスポーツみたいです。サッカーをやっているようにしか思えなかったなあ。みんなで最高のパス回しをしました」
平均視聴率は17・6%、最終回は21・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、すべて前作を超えた。「不安もありました。たいてい(シリーズものでは)1が良くて、2が悪い。でも、視聴率を上げてきたのは誇りです」。
松本との関係については「しゃべらなくても分かる。ドラマが終わっても時間を共有している」と話すまでになった。早くも続編が期待される。「簡単にはできませんが、当たり前のように滑り出せるメンバーになりました」と自信を見せる。ドラマ、映画、舞台、さまざまな可能性が広がる。どんな展開になっても、また最高のパス回しが見られそうだ。【小林千穂】
◆香川照之(かがわ・てるゆき)1965年(昭40)12月7日、東京都生まれ。89年NHK大河ドラマ「春日局」でデビュー。ドラマはNHK「龍馬伝」、TBS系「小さな巨人」など。映画は「鬼が来た!」「ゆれる」「劒岳 点の記」「鍵泥棒のメソッド」など多数。大のボクシング好き。血液型AB。
◆「99・9-刑事専門弁護士-SEASON2」 99・9%有罪とみなされた刑事事件でも、納得するまで事実を探る深山弁護士(松本潤)が主人公。ベテランの佐田弁護士(香川照之)、元裁判官の尾崎弁護士(木村文乃)らと、さまざまな事件を探る。弁護士、検事に加え、裁判官との関係も描かれた。
◆ドラマグランプリ 3月26日から4月2日まで日刊スポーツのホームページ「ニッカンスポーツ・コム」やスマートフォンサイト「ニッカンエンタメ・プレミアム」、携帯サイト「ニッカン芸能!」、宅配読者会員サイト「ニッカンポイントクラブ」などで昨年4月から今年3月までに放送された連続ドラマを対象に「主演女優賞」「主演男優賞」「助演女優賞」「助演男優賞」「作品賞」を選ぶアンケートを実施。各期のベスト5、各部門計20人(作品)を候補とした。投票総数は4332票。男性が845票、女性が3487票。10代以下が155票、20代408票、30代443票、40代1281票、50代1571票、60代以上が474票だった。