石井裕也監督、この10年で映画を通して投げかけてきた日本への違和感と見過ごされてきた人の心

  • (C)2024映画『本心』製作委員会
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<最新作「本心」公開…石井裕也監督が語る人間とAI>最終回

石井裕也監督(41)が、公開中の最新作「本心」で、ますます日常生活に浸透するAIの持つ危うさを世の中に問いかけた。亡くなった母の本心を知りたくて、仮想空間上にAIで母を作った主人公を池松壮亮(34)が演じる。「不確かな人間の記憶より、全ての情報をディープラーニングしたAIが優れているという人が大勢になった時、人間の立場、尊厳が脅かされ、毀損(きそん)される」と指摘。「そのことへの対策、準備は特に日本人にはできていないと思います」と警鐘を鳴らした。最終回は、石井監督がここ10年、映画を通じて投げかけてきた思いと「本心」を今、公開する意味について。

石井監督が映画を通じて世の中、社会に対し、人間とは何か? という問いかけを投げかけ始めたのは、2010年代半ばに感じた危機感が根底にある。

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