山田孝之「正体」絶賛も、8年前のP作品でタッグ藤井監督から「何十回も書き直させられた成果」
山田孝之(41)が29日、東京・丸の内ピカデリーで行われた映画「正体」(藤井道人監督)初日舞台あいさつに登壇。8年前に自身がプロデュースした作品で起用した藤井道人監督(38)から、当時脚本を「何十回も書き直させられた」と指摘され一瞬、慌てた。
山田孝は劇中で、主演の横浜流星(28)が演じた、殺人事件の容疑者として死刑判決を受け、逃走を続ける“5つの顔を持つ逃亡犯”鏑木慶一を追う刑事・又貫征吾を演じた。藤井監督は、舞台あいさつで「企画を頂いてから4年以上、向き合って頑張ってきました。4年って、すごい長いように聞こえますけど、企画から撮影、編集して公開…僕自身、完成せずに終わり(企画自体)止まったこともある。流星が隣にいて、走り続けられたのが奇跡。流星に感謝したい」と横浜に感謝。山田孝も「去年の7、8月、今年の2月と長い時間、撮影しました。いろいろと状況によって何を感じるかは、それぞれだと思いますが…どこかで家族で話してください」と作品を勧めた。
山田孝は、作品について聞かれ「良い映画だなと思いました」と即、評価した。その上で「藤井監督とは過去、一緒に映画を作り、脚本作りもしてきた仲で、いろいろエンターテインメントもある中で、答えを出さないということも、その時、僕らの中で、すごく重要だった」と振り返った。
山田は、自身が初めて企画・プロデュースに挑戦した19年の映画「デイアンドナイト」で、当時若手監督のホープだった藤井監督にメガホンを託した関係性がある。「今回の映画の中では結末はあるけど、見た方にどうですか? と問いかけるのも重要で、そういう映画になっていたので、良い映画だなと」と続けた。
山田孝の話を聞いていた藤井監督は「8年前『デイアンドナイト』という映画で、山田さんに脚本を何十回も書き直させられた。成果が出たのかなと思いました」と笑った。これには、山田孝も「ちょっと。言い方が…」と苦笑した。
この日は、鏑木の無実を信じる安藤沙耶香を演じた吉岡里帆(31)鏑木を犯人ではないかと疑う野々村和也役のSixTONES森本慎太郎(27)。逃走する鏑木の無実を信じ、恋心を抱く酒井舞を演じた山田杏奈(23)も登壇した。
◆「正体」 日本中を震撼(しんかん)させた殺人事件の容疑者として逮捕され死刑判決を受けたが脱走し潜伏を続ける主人公の鏑木(横浜流星)。沙耶香(吉岡里帆)は、東京でフリーライターをしている鏑木が家がないところを助け、一緒に暮らし指名手配犯だと気づくが彼の無実を信じる。和也(森本慎太郎)は、大阪の日雇い労働者として共に工事現場で働く鏑木と親しい友人となるが、犯人ではないかと疑う。舞(山田杏奈)は、長野の介護施設で働く鏑木と出会い恋心を抱く。刑事の又貫(山田孝之)は、潜伏しながら各地に出没し日本を縦断していく鏑木を追う。4人が出会った鏑木は、それぞれ全く違う姿をしていたー4人の視点から描かれる、鏑木の本当の“正体”とは-。顔を変えながら日本を縦断する鏑木の真の目的とは。