作品賞は妖怪人間ベム/日刊ドラマGP

<第15回日刊スポーツ・ドラマグランプリ受賞者発表>

 作品賞には、日本テレビ系ドラマ「妖怪人間ベム」が輝いた。主演男優、助演男優、助演女優と合わせ4冠を達成した。河野英裕プロデューサー(44)に「ベム」へのこだわりを聞いてみた。

 河野プロデューサーは、40年以上前に放送されたテレビアニメを実写化する難しさを感じていた。「原作にパワーがあるので、真正面から素直に映像化していこうと思った。変にコメディーにすることなく、原作の持っている正義と悪を真面目に伝えた」。制作陣の思いに応え、忠実に演じたのが、ベム役の亀梨和也(26)、ベラ役の杏(26)、ベロ役の鈴木福(7)のメーンキャストたちだ。

 亀梨とは05年、同じ土曜9時枠のドラマ「野ブタ。をプロデュース」でタッグを組んだ。1年後に「いずれ妖怪人間ベムをやらないか」と誘った。「彼は悲しい感じを潜在的に持っている。妖怪にも人間にもなりきれない哀愁を出せると思った」。杏については「立ち姿から圧倒する迫力がある。根っこは優しいが、切れるキャラもはまりそうだった」。鈴木には「純粋に愛や人間を語ってくれそうだった。『マルモのおきて』第1話を見たときに起用したいと思った」と一目ぼれだったことを明かした。

 01年、ダウンタウン浜田雅功主演「明日があるさ」から、06年「マイボスマイヒーロー」、10年「Q10」など土曜9時放送のドラマをこれまで9作手掛けた。「水曜ドラマと違い、週末なのでこの枠は全世代が見る。タレントやストーリーでターゲットを絞ることができない分、難しいし、やりがいがある」。高いハードルを跳び越え、「ベム」が成功した。「見てくれた皆さんがベムのようなヒーローでした」と感謝の気持ちでいっぱいだという。【三須一紀】

 ◆妖怪人間ベム

 11年10月期に日本テレビ系で放送した作品。人間になりたい妖怪人間ベム、ベラ、ベロと人間の交流を描く。主演の亀梨和也がベム、ベラを杏、ベロを鈴木福が演じた。共演は北村一輝、堀ちえみら。平均視聴率15・6%、最高は18・9%。

 ◆ドラマグランプリ

 3月23日から30日まで日刊スポーツのホームページ「ニッカンスポーツ・コム(PC版、スマホ版)」と携帯サイト「ニッカン芸能!」、宅配読者の携帯会員サイト「ニッカンポイントクラブ」で、昨年4月から今年3月までに放送された連続ドラマを対象に、主演女優賞、主演男優賞、助演女優賞、助演男優賞、作品賞を選ぶアンケートを実施。各期(4、7、10、1月)ごとのベスト5、各部門計20人(作品)を候補とした。投票総数は5856票。男女別では男性が1207票、女性が4649票、世代別では10代以下が391票、20代713票、30代986票、40代2138票、50代1309票、60代以上が319票だった。

 

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