戸田恵梨香が助演女優賞/日刊ドラマGP

[2013年5月1日7時24分

 紙面から]<第16回日刊スポーツ・ドラマグランプリ受賞者発表>

 「第16回日刊スポーツ・ドラマグランプリ」助演女優賞はフジテレビ系「鍵のかかった部屋」で新人弁護士を演じた戸田恵梨香(24)が受賞した。一生懸命だが、周りが見えなくなり、失敗も多いコミカルな役を好演した。若手実力派の呼び声も高いが、今回はキャラクターの理解に悩み、挑戦と葛藤の日々だったという。

 戸田は受賞に「驚きました」と喜ぶ一方で、「実は戸惑いもありました」と明かした。自信を持って胸を張れる演技ができたのか、疑問があったという。

 演じた弁護士は、何ごとにも一生懸命取り組むが、それゆえに周囲が見えなくなってしまうタイプ。コミカルなキャラクターでもあった。ディレクターやプロデューサーらから説明されるキャラクターにそれぞれ微妙にズレがあり、悩んでしまったという。「苦しむ被害者の話を聞く場合、一生懸命に聞いて感情移入するという意見と、淡々と聞いて感情移入しないという意見。どうすればいいか。考えをまとめるのが大変でした」。

 ユニークで楽しそうに見えた演技は、苦悩の上に成り立っていた。せりふと作品の流れを考えながら、最終的に、感情移入する人間でなければ一生懸命に人を救わないだろうと、自分の中で結論づけた。「この作品で一番心掛けたのは、どういう作品なのかを客観視することでした。感情だけでない、ある程度作られた芝居をしないと成立しない作品は難しい。あらためて感じました」。

 戸惑いの理由はもう1つあった。「10代で主演したドラマ『ライアーゲーム』の主人公と特徴が一緒なんです。なるべく違うキャラクターにしたいという思いと、超えたいという思いで臨みましたので、今回は挑戦と葛藤の作品でした」。

 舞台裏の苦労とは別に、多くの視聴者は明るくユニークなキャラクターの演技を純粋に楽しんだ。役作りを感じさせない、女優としての本領発揮といえる。

 「成長していけるように芝居には慣れないでおこうと思います。ずっとナチュラルでいたい」。経験は重ねるが、いつまでもそこに浸ることはしない。今回は過去に演じた役と重なる葛藤も味わったが、画面に映ったそのキャラクターは「ナチュラル」だった。【中野由喜】

 ◆戸田恵梨香(とだ・えりか)1988年(昭63)8月17日、兵庫県生まれ。00年NHK連続テレビ小説「オードリー」でドラマ初出演。その後も「エンジン」「野ブタ。をプロデュース」「女王の教室」など人気ドラマに出演。07年フジテレビ系「ライアーゲーム」でドラマ初主演。「コード・ブルー

 ドクターヘリ緊急救命」「流星の絆」「BOSS」など話題ドラマに出演。162センチ。血液型AB。

 ◆「鍵のかかった部屋」

 作家貴志祐介氏の同名小説などが原作。嵐の大野智演じる警備会社勤務の防犯オタクが密室で起きた難事件を解決していく。真面目で純粋な新人弁護士青砥純子を戸田恵梨香が演じた。共演は佐藤浩市、能年玲奈、宇梶剛士ら。放送11回の平均視聴率は16・0%。

 ◆ドラマグランプリ

 3月22日から29日まで日刊スポーツのホームページ「ニッカンスポーツ・コム」、スマートフォンサイト「ニッカンエンタメ・プレミアム」、携帯サイト「ニッカン芸能!」と宅配読者の携帯会員サイト「ニッカンポイントクラブ」で、昨年4月から今年3月までに放送された連続ドラマを対象に「主演女優賞」「主演男優賞」「助演女優賞」「助演男優賞」「作品賞」を選ぶアンケートを実施。各期(4、7、10、1月)ごとのベスト5、各部門計20人(作品)を候補とした。投票総数は2624票。男性が685票、女性が1939票、10代以下が45票、20代109票、30代358票、40代1026票、50代823票、60代以上が263票だった。

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