お手軽!スーパー・ライト・ジギング 茂手木祥吾氏が釣り方を解説

<釣りをしようよ!!>

暑さが一段落して、新たに釣りを始めてみたいと思う人も多いだろう。「ニョロニョロ系の虫エサや、においのきついコマセはちょっと」と思っている人に、ルアー・フィッシングをお薦めする。中でも注目は、SLJ(スーパー・ライト・ジギング)。軽いメタルジグを落として誘う。船から狙うシーバス(スズキ)、タチウオをはじめ、青物、根魚など対象はいろいろだ。バスプロで、フィッシング・コーディネーターの茂手木祥吾氏(48)に釣り方を解説してもらった。

SLJ(スーパー・ライト・ジギング)で使うメタルジグの数々
SLJ(スーパー・ライト・ジギング)で使うメタルジグの数々

■逃げる小魚の動きを演出

60グラムのメタルジグがあれば、SLJの可能性が広がる。橋脚周りで底まで落として誘うシーバス、底から宙層まで幅広く探るタチウオ、起伏のある岩礁地帯で狙うヒラメ、マダイ、カサゴ、メバルやハタ類、砂泥地をはわせて食わすアマダイやマゴチといったように、対象となる魚種が多い。長さ6フィート(約180センチ)、アタリの出やすい先調子で、針がかりしたら胴に乗りやすいタイプのシーバスのジギングロッドがあれば、ほぼ対応できる。

SLJの入門編とも言うべきカサゴ
SLJの入門編とも言うべきカサゴ
ルアーの対象魚種としてすっかり定着したタチウオ
ルアーの対象魚種としてすっかり定着したタチウオ
これから東京湾でルアーの人気ターゲットとなるシーバス
これから東京湾でルアーの人気ターゲットとなるシーバス

「金属片であるジグの重さや動きに合わせ、それを生かして吸収できる弾力のロッド、誘いを交えて釣ります」と茂手木氏は言う。基本の誘いは3パターン。「ワンピッチ」「ロングジャーク」「タダ巻き」だ。狙う魚の捕食パターンや習性を利用して、エサとしている小魚が逃げるような動きを演出する。

◆ワンピッチ ジグを30センチほどフワリと上げ、リールをひと巻きする。この繰り返しで、水中でジグをジグザグに動かす。

◆ロングジャーク 船べりから頭上まで大きくロッドをアオって、ゆっくり下げる。コマセマダイやLT(ライトタックル)のアジでコマセをドバッと巻く感覚と思えばいい。これが誘いになる。

◆タダ巻き 文字どおりジグを海底まで落として、何の動きも加えず回収する。タイラバと同じような釣り方で、巻き取るスピードが合えば釣果と比例する。


「船でのエサ釣りの経験がある人なら、応用できる釣り方があると思います」と、茂手木氏は強調する。

金属片にフックを付けただけではなく、ブレードやネクタイを装着したことで、より高度な演出ができるジグもある。

ハヤブサの場合、「ジャックアイ マキマキ」はブレードが回転してターゲットを誘う。ナブラ(小魚が大型肉食魚に追われて海面にできる状態)のすぐ下の表層を攻め、イナダやサワラなどの青物を狙う。「ジャックアイ クネクネ」は揺れ動くネクタイが、生きているかのようなアクションを演出する。マダイや根魚などが対象だ。メーカー側の進化も、ジギングのジャンルを広げていると言えよう。

ハヤブサ「ジャックアイ マキマキ」
ハヤブサ「ジャックアイ マキマキ」
ハヤブサ「ジャックアイ クネクネ」
ハヤブサ「ジャックアイ クネクネ」

かつてのジギングは80~100グラムが主力だった。「日本の産業が重厚長大から軽薄短小になったように、釣りの世界もどんどんコンパクトになっています。道糸はナイロンからPEになって細くなりながら強度が増しています。ロッドが軽くなっています。SLJも、時代にも合っていると思います」(茂手木氏)。手軽に楽しめるこんな釣りなら、新たにチャレンジできる。【赤塚辰浩】

茂手木祥吾氏がSLJでヒットさせたオオモンハタ
茂手木祥吾氏がSLJでヒットさせたオオモンハタ
軽めのメタルジグにヒットしたサバ
軽めのメタルジグにヒットしたサバ

■水と反対の色を アドバイス

◆ルアーの選択 潮や水が澄んでいる時はナチュラル系のイワシ、コノシロ、落ちアユに似せた物を使う。濁っている時は金やピンク、蛍光イエローといった水中で目立つ派手な色が原則。水の色と反対のカラーを選ぶといい。海では蛍光紫を反射させる「ケイムラ」、LEDライトのようにボワーッと緑色に光る「グロー」などは定番。同じ重さでも、色が違う種類を数多く備えておくといい。船に乗る場合、事前に船長にヒットカラー、重さ、誘いなどを確認しておく。

◆釣れている人を参考に どんなルアーを使い、どんな誘い方をしているかが、考えるヒント。

◆帽子とサングラス 日差しが弱くなったからいらないだろうではなく、頭と目を保護する必需品。

◆キャスト 基本は真下に落とし込むか、アンダースロー。船によっては右なら右、左なら左と、釣り人を片側に集め、オーバースローを認める場合もある。いずれにしてもキャストする前には、必ず人が近くにいないか確認する。特に、盲点になりやすい後ろ側。

◆バーブレス・フック 一部の船では針の返しをそのままにしてもいいが、原則、返しをつぶすバーブレス・フックにしておく。魚を痛めず、外しやすい。

針の返しの部分をつぶすバーブレス・フック
針の返しの部分をつぶすバーブレス・フック

◆茂手木祥吾(もてぎ・しょうご) 1976年(昭51)5月26日生まれ、東京都練馬区出身。3歳のころから祖父や父に連れられ、釣りを開始。船、磯、渓流からルアーまですべてをこなす。23歳でバスプロに。12年には国内最高カテゴリーのバストーナメントで福島・桧原湖で優勝。現在はフィッシング・コーディネーターとして、さまざまな釣りのイベントや企画番組などのインストラクター、実技指導をしたり、カメラマンとしてSNSや媒体でのプロモーション活動の手伝いをしている。また、いろいろな釣りのガイドとしても活躍中。

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