山梨・西湖 ヒメマス釣り解禁 食べてもおいしい淡水の人気魚種

<釣りをしようよ!!>

山梨・西湖のヒメマス釣りが10月から解禁となった。引き味が楽しく、食べてもおいしい淡水の人気魚種だ。解禁当日は日中、気温が上がり、まだまだ夏のような陽気だったが、「白根」(渡辺安司店主=66)では、最大30・8センチの良型が上がった。夏場の猛暑の影響か水温も高く、全般に釣果ムラがあり、活性もいまひとつだった。冷水を好むため、これから涼しくなって水温が下がっていくにつれて、群れがまとまり、活性も高くなる。12月31日の最終日まで数、型ともに楽しめる。

1日に解禁となった西湖のヒメマスは20センチ前後と型ぞろい
1日に解禁となった西湖のヒメマスは20センチ前後と型ぞろい

★12月31日まで

気まぐれな「おヒメ様」が突然、振り向いた。食い気が立つと、ググッとサオを強く絞り込んだ。解禁初日最大の30・8センチを上げた花上輝雄さん(66=山梨県大月市)は、初音~駒形あたりをトローリングで流していた。「硬めのサオにかすかなアタリがあった。その後に重みが伝わったので、強引に巻いた」と振り返る。数も18匹とトップだった。

解禁初日最大30・8センチのヒメマスを釣り上げた花上輝雄さん
解禁初日最大30・8センチのヒメマスを釣り上げた花上輝雄さん

同じような場所をトローリングしていた仲間の網野宏保さん(64=大月市)も16~28センチを16匹釣り上げた。「大型は一気に持って行った。(ヒメマス特有の)食い上げで湖面を跳ねるやりとりも楽しめた。群れに当たって食う時には、バタバタとまとめて連発した」と語った。

網野宏保さんは27、28センチの良型をはじめ16匹のヒメマスをゲット
網野宏保さんは27、28センチの良型をはじめ16匹のヒメマスをゲット

エサ釣り組の前野孝さん(69=埼玉県川越市)は、5本のサオをすべて違うタナ(魚の遊泳層)として、食ったタナに合わせる釣り方にした。水深15~20メートルで15~23センチが16匹上がった。「型は平年並みかな」。

広谷浩二さん(54=甲府市)は、同じように3本のサオで水深13、18、20メートルにそれぞれ仕掛けを投入。朝倉光利さん(61=東京都武蔵村山市)も物見堂沖で3本のサオで10~20メートルを試した。「最終的には15~16メートルがヒットゾーンとなった」。19~24センチが17匹で、「数はまずまず。型は少し大きめ」と満足そうだった。全体的に午後になると活性が低くなったが、午前中は群れが回遊したり、活性が上がるとチャンスタイムとなって数が伸びた。

西湖のヒメマス釣りは5本までサオが出せる
西湖のヒメマス釣りは5本までサオが出せる

もともと冷水を好むため、最近の秋の解禁当初は猛暑が響いている。今年は特にこの傾向が強かった。この日、水質検査を行った山梨県によると、表面水温は21度。昨年に比べて1・2度高かったという。

9月26日に地元漁協が行った試し釣り同様に、17~23センチが主体と型はそろっていた。「西湖の場合、日光が届かなくなる水深20メートル前後がアタリのタナの目安。その前後を攻めるのがセオリーでしょう」。白根の渡辺店主も強調する。


今月に入り、西湖の湖畔は朝方肌寒いほどになってきた。冷え込みが徐々に厳しくなって紅葉のシーズンに入れば、ヒメマスの活性は高まってくる。「解禁当初はムラがあった釣果も、群れもまとまりつつある。ヒメマスの適水温である10~12度まで下がれば、シーズンはピークになる」(渡辺店主)。ヒメ攻略はこれからだ。【赤塚辰浩】

西湖のヒメマス解禁初日、思い思いのポイントに向かう釣り人の風景
西湖のヒメマス解禁初日、思い思いのポイントに向かう釣り人の風景

★3~4年で成魚

◆ヒメマス サケ科ベニザケの陸封型で、湖や沼に生息する。原分布は北海道やカムチャツカ半島、北米太平洋岸など。日本の原産地は北海道にある阿寒湖、網走川上流のチミケップ湖。20世紀初頭、ここから卵が青森・十和田湖をはじめ、栃木・中禅寺湖、山梨・西湖、同・本栖湖、長野・青木湖、神奈川・芦ノ湖など、全国の湖に移植された。冷水を好み、群れで遊泳する。3~4年で成魚となり、体長30センチほどになる。


■アドバイス 基本は20メートル前後

◆タナ 基本は水深20メートル。この前後に群れが回遊していることが多い。リールに水深計がない場合、メジャーを使って1メートル刻みとかで道糸を出してやるといい。腕を横に目いっぱい広げた長さが1ヒロ(個人差あるが約1・5メートル)と計算すれば、13回出すとほぼ20メートルとなる。また、仕掛けを底まで落としたらリールを巻き上げ、巻いた数を記憶する。2回目は、その半分の数だけ巻き上げれば宙層で仕掛けを止められる。


◆ボートを揺らす 風や波が少しでもあれば自然に揺れるが、快晴無風でベタナギの場合、自分の体を左右に揺らして仕掛けを上下させると、誘いになる。


◆トローリング サオの角度は45度ではなく、20~30度。少し速めに引くと、反応良く食ってくる。ヒメマスは自分の動く速度の3倍のスピードで動く獲物をエサにしているとされている。


◆サオ 1人5本まで。アタリの取りやすい先調子のサオはバレやすい。マダイやヒラメ用の軟調胴調子で、オモリ負荷30号のサオの方が針がかりしやすい。


◆服装 標高が高い場所での釣りになるので、冬が近づくにつれて朝方の気温がどんどん下がってくる。起毛付きのトレーナー、フリースのジャケット、使い捨てカイロ、厚手のカッパの上下などで「寒さ対策」を。日中、太陽が出始めてポカポカになったら脱げばいい。


▼釣り宿 西湖「白根」 【電話】090・4917・4480。31日までは出舟午前6時、岸着午後5時。11月1日から12月31日は出舟午前6時30分、岸着午後4時。ヒメマスの上限は30匹。コマセ、ワーム、タコベイトは禁止。仕掛け1枚500円。手こぎボート1人乗り1日3000円、2人乗り同4000円。日釣り券は大人1700円、女性と中学生850円、小学生以下無料。現場売り3500円。https://himetoro.com

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