三重・鳥羽石鏡沖 幸徳丸でウタセマダイ釣り ゴンゴン激しい段引き
<乗合船FISHING>
ウタセマダイ釣りが好調な三重・鳥羽の石鏡沖へ16日、乗合船「幸徳丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の午後便で出た。潮が動かず釣りづらい時間帯もあったが、午後3時過ぎから時合到来。記者は22~32センチのマダイ10匹をゲット。竿頭は26~40センチのマダイ20匹を仕留めた。【大津賢一】
★竿頭26~40センチ20匹
正午過ぎ、石鏡沖の水深23メートルのポイントに入った。海底は天然の漁礁。鳥羽では、船長が潮上から餌(生きたウタセエビ)を底まきし、そのまき餌に刺し餌を同調させてマダイの食いを誘う。
風は穏やかで、波も穏やか。記者は、右舷前方に陣取る。寺本周介船長の合図で胴突き3本針仕掛けを一斉に投入。底の方はエサ取りが多く、マダイは3本針の上2つで狙うイメージだ。
まき餌が効きだした午後1時過ぎ、マダイがかかりだす。記者も1匹目の25センチをゲット。それから10分ほど後、大きなアタリが来た。電動リールを巻き上げている最中も、ゴンゴンっ! とマダイ特有の段引きの感触がサオを通して腕に伝わってくる。上がってきたのは、ブルーの輝点も鮮やかな32センチだった。
午後3時過ぎに時合が訪れ、船内のあちこちで良型が続々と上がる。右舷後方の上田慶司さん(67、鳥羽市)のサオが尋常ではないほどしなる。巻き上げ中も、ゴンゴン、ゴンゴンと段引きの激しさが表れている。船長のタモ入れで船上に舞い降りたのは、この日最長寸の58センチだった。快活な上田さんは「コツ? こだわり? ない!」と豪快に笑う。
★糸はピンと張らず
午後4時を過ぎると、潮も動かなくなり、アタリもまばらに。夕闇迫る午後5時過ぎに納竿となった。竿頭は、ウタセマダイ釣り歴30年以上という小竹幸郎さん(68、津市)。26~40センチを20匹釣り上げた。自作だという仕掛けは5本針。糸はピンと張らず、エサのエビを自然な状態に見せることが大事だという。
小竹さんは、船中の釣り客すべてにまんべんなく釣らせる船長の腕前を絶賛していた。また、赤の他人同士が言葉を交わし、触れ合えるのが乗合船の魅力だとも話してくれた。加えて「釣り場に来る前の車の運転などでイライラしないこと。殺気のようなものが魚に伝わってしまう」と、おろそかになりがちな釣り人としての心構えをとつとつと語ってくれた。
人が食べてもおいしい地エビで育った石鏡の天然マダイは、味も最高だ。初心者でも、寺本船長が優しく丁寧にサポートしてくれるので心強い。石鏡のウタセマダイ釣り、ぜひ体験してほしい。
【今後の見通し】マダイは潮の流れが緩い日が狙い目。これから年末にかけてサイズが良くなり、30~40センチを中心に50~60センチ交じりで2桁釣果が狙える。メジロやカンパチの魚影も濃いので、大きめのクーラーを用意して臨みたい。
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