ワカサギの季節がやってきた 西湖は当歳魚が中心、河口湖は育ちよく良型 各宿の釣況
<釣りをしようよ!!>
秋の深まりとともに、ワカサギ釣りの季節がやってきた。山梨・西湖、河口湖、精進湖では10月になって解禁。西湖は4~5センチの当歳魚が中心だが、底付近にいる「ワカ様」の群れに当たれば数が伸びる。河口湖や精進湖は昨年よりも型がいいという。埼玉・円良田湖は11月1日から始まる。湖畔から目視できるほど魚影は濃く、開幕が待ち遠しい。各宿の釣況をお知らせしよう! 同じく良型が目立つヘラブナ釣りは、ベテランのヘラ師、関川康夫さん(71)の攻略法付きだ。
■鈴なりに掛かる
ワカサギが鈴なりに掛かってくる。オモリを底に着け、サオを上げても10センチほど。ゆっくり手首を返すようにして浮かせると、プルプルッとアタリが明確に伝わる。底付近に控えている「ワカ様」の食い気が立てば、5~7本針にパーフェクトも夢ではない。ただし、湖によって傾向が違う。
西湖
例年、この時季なら10センチ前後の「シシャモ」級が多いが、今年は4~5センチの「タツクリ」級が半分以上食っている。当歳魚が中心となっている分、数は伸びている。「白根」では店前や東電ポンプ前、うの木などの水深10~12メートルを主体に200~3000匹という釣果が上がっている。「まだ食いにムラはあるし、午前8時ごろから正午にかけて食いが渋る場合もある」(渡辺安司店主)。
魚体が小さい分、針は食い込み重視で2・5号まで。「今年から、針がかりのいいフッ素コートの針(1枚450円、通常の仕掛けは400円)も販売し始めました」。
エサの紅サシはハサミで切るといい。中から出る体液が文字通り、ワカサギへの「誘い水」となる。こまめに交換し、サオを上下させて誘う。風や波を利用してボートを揺らしてもいい。ベタナギならヒメマス釣り同様に、自分の体を左右に揺らせば誘いになる。
河口湖
店前一帯の水深7~8メートルのベタ底で好釣だ。「夏の猛暑の影響からか、まだ水温が高く、群れがばらついているようだが、いつもより育ちがいい。8~10センチの良型が主体になっています」(「ハワイ」渡辺一孝店主)。数も7日に今季初の4ケタとなる1005匹を記録したほか、トップで500~900匹台を記録している。当分、この状況が続くとみられる。
精進湖
回遊している群れを魚探で探り当てるのが、数を伸ばす早道となりそう。「湖畔荘」では、「昨年は5センチ級が主体で数は全体に多かった。今年は平均7~10センチ。2年物になって、このサイズになっていると思われる」とした。
円良田湖
11月1日からボートと桟橋で楽しめる。10月早々に行われた試し釣りでは5~7センチ程度の当歳魚が次々と掛かった。湖畔からワカサギの群れが目視できる。「春先に放流した稚魚が、夏を乗り切って順調に大きくなっていると思われます」(「同湖管理事務所」)。
■水温低くなれば
これから秋が進んで水温が低くなればなるほど、底付近に固まってくる。回遊する群れも大きくなる。これに当たれば、各湖で数も型も申し分なく楽しめる。
ワカサギは藻塩や抹茶塩で天ぷら、からしじょうゆやウスターソースでフライ、南蛮漬けなどで食べるとおいしい。あとは野菜と合わせてかき揚げにしたり、カツ丼の要領でフライを玉ネギと一緒に卵とじにして、ごはんの上にのっけて食べてもいい。
■ヘラブナは「二刀流」で攻略
秋のヘラブナ釣り攻略法について、ヘラ歴50年以上で日刊釣りペンクラブ会員でもある関川康夫さんは、「宙層狙いが本線で、底狙いも見越した二刀流」と話した。「11月くらいまではまだ宙層。11月後半からは底釣りがセオリー」としている。
この時季はヘラのタナ(魚の遊泳層)にバラツキがある。急な冷え込みや、真夏日のような陽気に左右されるからだ。水面下2~3メートルの宙層を基本線に、ポカポカなら2メートルより上を狙い、冷たい雨が降れば4~5メートルまで下げる。1日の釣行の中でも変化する。
「前日までの釣況を基本にエサ打ちして、サワリ(ヘラがエサの周りに寄って水流を起こしウキが上下する状態)が出るタナを探るのがポイント」(関川さん)。探り当てたタナでアタリが切れた場合、タナが変わったという判断でいい。
さらに冷え込んで水温が下がれば、本格的な底狙いの「寒ベラ」となる。「腰を据えて、ゆったりしたリズムで確実に1枚確保するという姿勢でいることが大事」と強調していた。
関川さんの読みと、千葉・三島湖、埼玉・円良田湖のヘラブナはポイントによってバラつきがある。
三島湖
30センチ超の尺上が主力で、数よりも型。10~13尺(約3~3・9メートル)の短ザオに分がある。温暖な気候の日中で食いの活発な場合はタナが浅い。食いが渋くなったりすると、逆に深くなったりする。「秋ベラはタナを釣れと言われているくらいですから、ヒットゾーンを見つけられれば、良型のチャンス。15、18、20~22尺といった長めのサオまで用意するといいでしょう」。「ともゑ」の森和人店主はこうアドバイスしてくれた。
円良田湖
場所によってタナがバラバラなため、使うサオが違ってくる。一例を挙げると、1メートル未満の浅ダナで食うポイントもあれば、梨ノ木桟橋で8尺、旅館前で15尺、梅林で22尺といったように、いろいろだ。「魚影は濃く、探り当てれば絶え間なく食いそうです」(同湖管理事務所)。