谷さんがチヌ9・21キロで2度目V K-ZEROフェスティバル2024in三重・九州
<筏カセFISHING>
かかり釣りの祭典「K-ZEROフェスティバル2024in三重・九州」(主催・K-ZERO、協賛・(株)オーナーばり、マルキユー(株)、黒鯛工房、エサ市場・えさきちほか)が10月27日、三重県鳥羽市・小浜と佐賀県唐津市・肥前町にある仮屋湾のかかり釣り場に分かれ、インターネットを利用した同時開催が行われた。一般参加も含め、131人が参加し、チヌの総重量を競った。総合優勝は15~30センチを77匹(9・21キロ)そろえた京滋支部の谷健太郎さんが、4年ぶり2度目の優勝。2位は阪神支部の山本直希さん、3位は京滋支部の山口一さんだった。
まさに谷さんの圧勝劇だった!! 「自分の思い描いた通りの釣りができ、優勝できたことがうれしいです」と、谷さんが優勝カップを高々と掲げ、2度目の優勝の喜びを口にした。
当日の小浜のかかり釣り場は風もなく、潮の流れも比較的穏やかな好条件。そんな中、上がったのは浜辺湾12番筏の沖向き。まずは大きめのシラサエビを刺し餌にした、得意の広角釣法でチヌを拾っていく。その合間にチヌを寄せるために2、3投ごとにシラサをまぜた大きめのダンゴをサオ下にまき続けた。
午前中で25キロのダンゴをまき終えると、狙い通り自分のエリアにチヌが集まってきた。ステージができあがると、あとは谷さんのワンマンショーだった。
落とし込み釣りで、チヌに警戒心を与えないようカーブフォールをかけながらエリア内に仕掛けを投入。1投1匹ペースで、競技終了までチヌを掛け続けた。
午後3時、競技終了後の検量では総重量9・21キロを計上。2位に4・43キロの大差をつける独壇場だった。
勝因は「場所替わりがないので、ダンゴを打ち続けてチヌを集め、自分のエリアにくぎ付けにできたことです」と振り返る。
谷さんのかかり釣り歴は15年。2020年にK-ZEROフェスティバルで総合優勝し、トーナメント大会参加6年目の今年は、JFT全日本チヌトーナメントで準優勝。さらに同王座戦では、K-ZERO会長である兼松伸行氏を抑え、見事初優勝を果たした。
兼松会長も谷さんのことを「最近、めきめきとチヌ釣りの技術が向上している。まさにかかり釣り界の若手のホープだよ」と語る。
谷さんに今後の目標を尋ねると「いろんな人と釣りをすることで、自分の知らなかった技術など勉強して、来年の全日本チヌトーナメント優勝、同チヌ王座とK-ZEROフェスティバル総合の連覇を目指します」と3冠宣言がとびだした。そして若武者は大きな夢に向かって突き進んでいく。【中村和嗣】
◆総合2位・山本直希さん(三重会場、阪神支部) カイズクラスが多かったので小さめのシラサエビを刺し餌にして数を釣っていった。食いが落ちると大きめのシラサに替え、浮いているチヌを狙った。もう少し大きい型が釣れていれば接戦になっていたが…。この経験を生かし、11月にここで開かれるトーナメントでリベンジしたい。
◆総合3位・山口一さん(三重会場、京滋支部) 総合3位に入れてうれしい。潮が速い時間帯もあり、集魚用にオキアミ、ミンチサナギを多めに入れたダンゴをまき続けて、シラサエビを刺し餌に、ノーシンカーで仕掛けを流してチヌを掛けた。午後1時半頃からチヌがよく釣れた。今後は釣れない時間帯を減らすよう技術を磨きたい。
▼2会場総合順位 <1>谷健太郎(京滋支部)9・21キロ<2>山本直希(阪神支部)4・78キロ<3>山口一(京滋支部)4・77キロ▼三重会場 <1>平山淳一4・21キロ<2>角田守康3・37キロ<3>那珂浩一2・98キロ<4>森田順2・86キロ<5>橋爪佳則2・55キロ▼九州会場 <1>篠原育力3・40キロ<2>小丸勉3・20キロ<3>寺田道生2・00キロ<4>廣木依吹1・70キロ<5>鹿毛英明1・10キロ▼レディース賞 <1>永田朱美1・77キロ<2>梅野公子1・10キロ<3>味岡麻妃呂0・50キロ▼キッズ賞 池田ほのか2・40キロ、ほか4人▼最長老賞 衣川輝夫(82歳、京滋支部)=敬称略。
※各会場の上位成績は総合4位以下から順位付け。同重量は年齢順で決定。
◆大会経過 両エリアともに午前6時ごろ~午後3時まで、チヌの総重量を競った。三重・小浜は比較的に潮の流れは緩やかで、15~20センチの小チヌが順調に釣れ、午前中で30匹超の人も。九州・仮屋湾では35~47センチの良型が釣れ、40センチ級を3匹そろえた人も。ただ雨が降り出すと釣果が伸びなかった。対して小浜では、午後1時半頃から小チヌの活性が高まり、場所によっては複数人が入れ食い状態になっていた。全体的に型は九州会場が良かったが、チヌの匹数は三重会場が463匹と圧倒していた。開会式、表彰式はインターネットの同時中継で行われ、盛り上がりをみせた。
レディース賞
レディース賞は、永田朱美さん(三重会場、京滋支部)が2年ぶり2度目の受賞。乗った筏はイルカ島の21番。潮が左に流れる中、ラインを送り込んで(5ヒロほど)チヌを次々と掛け、25~34・5センチを4匹キープして逃げ切った。ただ永田さんは競技終了後、午後1時半頃から同筏で良型チヌが釣れていたと聞き、「筏の揺れがきつく午前中で釣りをやめてしまったのが悔やまれます」と話していた。だが、受賞式でモンクレールのバッグをもらうと一転、「前回のグッチに続き、モンクレールのバッグがいただけたのでめちゃくちゃうれしいです」と豪華副賞に、大満足していた。
キッズ部門
キッズ部門では、池田ほのかさん(9歳、三重会場、阪神支部)が、2・4キロ(23匹)のチヌを釣り上げた。ほのかさんは、父親の昂史(あきひと)さんのサポートを受けながら、シラサエビの刺し餌に、タングステン(10グラム)をつけた落とし込み釣りで次々と15~20センチのチヌを掛けていった。とくに午後1時半頃から競技終了まで、入れ食い状態が続き、「めっちゃくちゃ釣れたので、ものすごく楽しかったです。今度は大きい魚も釣ってみたい」と話し、昂史さんと一緒に大喜びしていた。
◆兼松伸行会長の談話 三重会場では463匹もチヌが釣れ、九州では40~47センチの良型が釣れるなどすばらしい釣果で、大会としては大成功だったと思います。今回も131人が大会に参加していただき、日本でのかかり釣りの大会では一番大きな大会となっていると思います。また事故もなくすばらしいK-ZEROフェスティバルになったのではないでしょうか。鳥羽では11月にここでトーナメントもあるので、しっかり練習して、鳥羽の方も盛り上げていただきたいと思います。九州でもたくさんの人に参加していただき、今後も皆さんと一緒にかかり釣りを盛り上げていきたいと思っているので、どうぞよろしくお願いします。
◆K-ZERO かかり釣りの名手・兼松伸行氏(日刊FPC)が会長を務める釣りクラブ。ビギナーからトーナメンターまで門戸を開き、釣りクラブや団体などの枠を超えて集まり、かかり釣りの技術発展、親睦を目的に活動している。関東から九州まで10支部があり、会員は約550人。各支部の懇親大会のほか、年に3回の黒鯛工房杯が行われており、毎年、秋に総括大会の「K-ZEROフェスティバル」を開催している。