氷上で「ストーン」と呼ばれる取っ手がついた円形の石を、約40メートル先の円(ハウス=半径1・83メートル)目がけて滑らせる。その円の中心により近づいたチームに得点が与えられる競技。2チーム(1チーム4人)の対抗で行われ、総合得点で勝敗を争う。高度な戦略が必要となることから「氷上のチェス」とも呼ばれている。
男女、混合ダブルス
「氷上のチェス」と言われるだけに、両チームのスキップ(4人目)の戦略や駆け引きが最大の見どころ。スイーパー(氷を履く人)に的確な指示を出してより精度の高いショットにするのはスキップの腕次第だ。また、ピンポイントで狙う高度なショットも魅力で、ハウス内のストーンの動きに注目すればより楽しめる。1回の攻守を「エンド」と呼び、10エンドまで行われる。第5エンド終了後には5分間のハーフタイムをはさみ、また1分間の作戦タイムなど随所に休憩を取ることができ、選手はその間に補食をとることが多い。
1チーム4人と補欠(フィフス)で構成。各エンドでは2チームが交互に、1人2投ずつ行う。投げる順にリード→セカンド→サード→スキップ(司令塔)と呼ばれ、それぞれに役割がある。エンドごとに得点が決定し、10エンドの合計点で競い合う。同点の場合は延長戦を行う。
各エンド終了時に、ハウスの中心に一番近いストーンを投げたチームに得点の権利が与えられる。相手チームよりも中心に近いストーンが複数ある場合は、その数だけ得点が入る。得点の権利が得られなかったチームは必ず0点。
自チームのストーンの距離を伸ばしたり、方向を調整するために氷を掃く(スイーピング)ことができる。ブルームと呼ばれるブラシを使い、掃くことで氷上のツブを溶かしてストーンの滑りを良くする。「マイ・ブルーム」もある。スキップは相手チームのストーンをスイーピングできるが、ハウスの中央を横切るライン(ティーライン)より後ろでしかできない。
相手チームのストーンに自チームのストーンを当ててハウスからはじき出すことも可能だが、各チームのリードが投げ終わるまではフリーガードゾーンにあるストーンをプレーエリアから出してはいけない。
◆勝ち上がり方式
1次リーグは総当たり戦。上位4チームが準決勝に進出する。準決勝の敗者は3位決定戦に回る。5位以下は1次リーグの順位で決定。
~~もし勝敗が並んだ場合~~
1次リーグで試合の勝敗が並んだ場合は、当該チーム間の対戦成績やLSD(ラストストーンドロー=先攻後攻を決める方式)の平均値が低い(より中心に近い)チームが上位となる。
▽先攻後攻の決め方
第1エンドの先攻後攻は、試合前練習の終了後に「ラストストーンドロー」(LSD)という方式で決まる。各チームの代表者が、ストーンを2投(ただし1投は右回転、1投は左回転)し、ハウスの中心からの合計距離がより短いストーンのチームが攻守を選べる。
第2エンド以降は、前のエンドで勝った方が先攻となる。互いに得点なしの場合は、その前のエンドと同じ。後攻の方が相手のストーンをはじけるので得点しやすく、先攻が得点することを「スチール」という。大差がつくと、10エンド前に「ギブアップ」することもある。
▽道具
ストーンは直径約30センチ、重さ約20キロ。スコットランドのアルサクレイグ島の花こう岩でつくられる。1個約20万円。試合では会場で用意されたストーンを使い、「マイ・ストーン」は使えない。
シューズは右投げの場合、左の靴底はテフロンなどで滑るようになっていて、右の靴底には滑り止めの円状のくぼみが開いている。スイープの時は、滑らないように左の靴の上にスリッパのような形のグリッパーを履く。
【ドロー】 ストーンをカール(回転)させて円の中などにストーンを止めるショット。
【カム・アラウンド】 置かれているストーンの後ろに、軌道が曲線を描くように回り込んで止めるショット。前のストーンにガードされ、はじかれにくい。
【フリーズ】 円の中にあるストーンにピタリとつけるショット。ストーンがくっついていると、はじき出されにくい。
【ピール】 置かれているストーンに当てて、自分のストーンと当てたストーンの両方ともに円の外に出すショット。円の中に多くのストーンを残したくない時に使う。
【ヒット・アンド・ステイ】 置かれているストーンに当て、自分のストーンは、その場に止めるショット。
【ヒット・アンド・ロール】 置かれているストーンに当て、投げたストーンは、他の場所に動かして止めるショット。
【レイズ・テークアウト】 置かれているストーンに当て、そのストーンで、もう1つのストーンをはじき出すショット。投げたストーンと、最初に当てたストーンは円内に残す。
【ヤップ、イエス】 掃け
【ウォー、ノー】 掃くな
【オフ、アップ】 掃くのをやめろ
【ハード】 もっと一生懸命掃け
【ハリー】 掃全力で掃け
【クリーン】 軽く掃け
16世紀にスコットランドで誕生したといわれる、世界で最も古い団体競技の1つ。放たれたストーンが、髪の毛が「カール」するようにゆっくりと回転することから「カーリング」という呼び名になった。五輪では、男子は1924年の第1回シャモニー大会で採用されたが廃止され、32年レークプラシッド大会以降は公開競技として行われていた。1998年長野大会から男女で正式種目となり、2018年平昌大会から混合ダブルスが加わった。
日本勢は長野大会から連続で参加。18年平昌大会で女子のロコ・ソラーレが初メダルとなる銅メダルに輝いた。
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競技 | 2022年2月 | ||||||||||||||||||
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水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
開会式、閉会式 | ★ | ★ | |||||||||||||||||
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