FREESTYLE_SKIINGフリースタイルスキー

フリースタイルスキーとは

スピードが重要なアルペンスキーに対して、フリースタイルスキーでは主にターンやエアなどの技術的な要素が重要視される。1992年アルベールビル五輪から正式種目となった。モーグル、エアリアル、スキークロス、ハーフパイプ(HP)、スロープスタイルに加え、今大会からビッグエアとエアリアル混合団体が正式種目となった。

種目

男女モーグル、エアリアル、スキークロス、HP、スロープスタイル、ビッグエア
エアリアル混合団体

ルールと競技の見どころ

【モーグル】 こぶが作られた斜度28度の急斜面を滑り降り、途中2カ所のジャンプ台でエアと呼ばれる空中での演技を入れながら、スピードやターン技術を採点で競い合う。宙返りや回転などのエアが目を引くが、得点比率はターン60%、エア20%、タイム20%の配分と、ターンが最も重要で、スピードに乗りながら滑らかにコブを処理するテクニックが見どころだ。審判員は計7人。ターンの採点は5人の審判員が採点し、最高と最低を除く3人の得点を合計した60点満点で採点。残り2人の審判員がエア(20点満点)を評価する。予選、決勝の各回とも滑走は1回だけ。

◆勝ち上がり方式
①男女とも30人が出場。予選1回目で、上位10人の決勝進出が決まる。
②残りの20人で2回目の予選を行い、さらに10人が決勝に進む。この際、1回目も含めた高い方の得点を採用する。
③計20人による決勝は3段階で行われる。1回目で上位12人、2回目では上位6人が勝ち上がる。その6人で行われる最後の3回目で最終順位が決定。各段階における試技の得点は持ち越されない。

【エアリアル】 キッカーと呼ばれる反り立ったジャンプ台から飛び出し、空中でアクロバティックな演技を見せる採点競技。スティックは持たず、トップ選手は高さ15メートルまで飛び上がる。5人の審判がエア20%、フォーム(姿勢)50%、着地30%の10点満点で採点。最高点と最低点を除いた3人の合計点に難易度を掛け合わせたものが得点となる。キッカーはカーブを変えて複数用意され、選手が好きな台を選べる。ひねりと回転を組み合わせた演技の類似性もあり、体操から転向した選手もいる。アクロバティックな演技が魅力。

◆勝ち上がり方式
▽個人
①予選1回目で、上位6位タイまでの決勝進出が決定。
②残りの選手で2回目の予選を行い、さらに6人が決勝に進む。
③決勝1回目は2回試技を行い、高い方の得点で上位6位タイまでが勝ち上がる。
④決勝2回目は一発勝負で順位を決める。
▽混合団体
今大会から新採用の混合団体は1チーム3人で構成され、3人の合計得点で争う。「男2人、女1人」でも「男1人、女2人」でもOKだが、各チーム1人目は必ず女子が滑る。予選はなく、決勝1回目の上位4チームが2回目に進出。2回目に得点は持ち越さない。決勝1、2回目とも試技は1人1回ずつ。

【スキークロス】 複数の選手が同時にスタートし、カーブやウェーブ、ジャンプ台を設けたコースを滑って着順(予選はタイム)を争う。選手が接近して滑走するため、激しいポジション争いや駆け引き、接触・転倒などモータースポーツのような面白さがある。ゴール前には大ジャンプできるセクションがあり、その対応次第で差がつくことも。スキー用部以外の体の一部が通過した瞬間がゴール。2010年バンクーバー五輪から採用された。

◆勝ち上がり方式
予選は1人で滑り、タイムで順位を決定。決勝トーナメントでは各レース4人で競い合い、着順で上位2人が次のラウンドに進む。

【ハーフパイプ(HP)】 長さ約160メートルの、パイプを半分に切ったようなU字形の斜面を左右に滑り降りながら、縁から飛び出した際に行う空中演技を採点して優劣を競う。スノーボードと同じ会場で行われ、パイプの壁の高さはビル2階に相当。1度の演技で5~6回の空中演技が行われる。2014年ソチ五輪から正式種目となった。審判員は計6人。1人100点満点で採点し、最高点と最低点を除いた4人の平均点が得点となる。

◆勝ち上がり方式
予選の12位までが決勝に進出。予選は2回、決勝は予選の成績下位の選手から3回滑走し、それぞれ最も高い得点が採用される。

【スロープスタイル】 800~1000メートルのコースにレール、ボックス、ジャンプ台など「ジブ」と呼ばれる障害物が複数設置され、それらを活用しながらトリックやジャンプを繰り出して得点を競う。審判員は計9人で、演技全体を3人がジャッジ。残り6人が各区間ごとに評価する。採点は「完成度」「難易度」「大きさ」「バラエティー度」「独創性」の要素から100点満点で評価され、後半のジャンプセクションでの高難度トリックが鍵になる。後ろ向きで滑ったり、飛ぶことができるスキー板を使用するため動きの自由度が高く、アクロバティックな演技が魅力。2014年ソチ五輪から正式種目となった。スノーボードにも同じ種目がある。

◆勝ち上がり方式
予選の12位までが決勝に進出。予選は2回、決勝は予選の成績下位の選手から3回滑走し、それぞれ最も高い得点が採用される。

【ビッグエア】 キッカーと呼ばれる反り立ったジャンプ台から空中高く飛び出して、アクロバティックな演技を見せる採点競技。エアトリックの高さや距離、難易度、完成度を競うが、エアリアルと違ってジャンプの飛距離が大きくなるため、着地時の緊張感がスリリング。審判員は計6人で、1人100点満点で採点し、最高と最低を除いた4人の平均点が得点となる。転倒すると最大30点の減点となる。

◆勝ち上がり方式
予選の12位までが決勝に進出。予選は3回の試技のうち高い方から2つの合計得点が採用される。決勝も3回滑り、高い方から2つの合計得点で順位が決まる。決勝の滑走順は1、2回目が予選成績の下位から。3回目は決勝2回目終了時で得点が低い選手から滑る。

歴史

1930年代にノルウェースキーのトレーニングの間にアクロバットを行ったのが始まりとされる。50年代に米国でプロスキーヤーによるパフォーマンスが行われ、66年には米ハンプシャー州で初の競技会が開催された。79年に国際スキー連盟よりフリースタイルスキーが正式種目として承認。80年からワールドカップが開催され、86年にはフランスで初のフリースタイルスキー世界選手権も開催。五輪では、88年カルガリー大会でモーグルが公開種目として行われ、92年アルベールビル大会から正式種目になった。
日本勢では98年長野大会の女子モーグルで里谷多英が金メダルを獲得。里谷は2002年ソルトレークシティー大会でも銅メダルに輝いた。男子モーグルでは2018年平昌大会で原大智が銅メダル。また、2014年ソチ大会の女子HPで小野塚彩那が銅メダルを手にしている。

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SCHEDULE競技日程

競技 2022年2月
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アイスホッケー 
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バイアスロン         
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ボブスレー             
リュージュ             

※■は予選、はメダル確定日

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