ジャマイカ、そり騒動の中無事完走「でもへとへと」
使用するそりを巡って騒動が続いた中、平昌冬季五輪でボブスレー女子2人乗りに参加したジャマイカ代表が無事に滑り終えた。
パイロットのジャズミン・フェンレイタービクトリアン選手は21日の4回戦後「ここに来られたことを誇りに思う。でも、へとへと」と笑顔に疲れと安堵(あんど)をにじませた。
大会前の5日、契約を結んでタッグを組んできた「下町ボブスレー」に対し、ジャマイカ側は本番でラトビア製のそりを使うと通達した。東京都大田区の町工場が中心となって開発したプロジェクト推進委員会は突然の契約不履行に損害賠償を求める可能性も示唆したが、相手側はラトビア製そりの性能が上として考えを変えなかった。
今度はこのそりの所有を主張するドイツ人コーチが直前に辞任し、使用できるマシンがなくなる恐れもあった。ジャマイカ連盟も所有権は自分たちにあると譲らず、最終的に同国のビール会社から支援を受けてそりを買い取った。
本番でもマシンに小さなトラブルを抱えていたそうで結果は20組中19位。会場には推進委のメンバー30人あまりが観戦に訪れ、声援を送った。最後に道はたがえたものの、共に歩んだ仲間を目にした同選手は「自分たちに大きな情熱を注いでくれた」と瞳を潤ませた。
推進委は「現時点で損害賠償は考えていない」としたが、関係者によるとドイツ人コーチが連盟に対して提訴を検討している。