堀島、小4夏休み毎日ウオータージャンプ場で技磨く

男子モーグル決勝1回目を滑り終えた堀島行真(撮影・PNP)
男子モーグル決勝1回目を滑り終えた堀島行真(撮影・PNP)

<ピョンチャン五輪:フリースタイルスキー>◇12日◇男子モーグル決勝

 堀島行真(20=中京大)は決勝2回目で転倒して11位に終わり、メダルを決める3回目に進めなかった。

 持ち味のスピードある攻めの滑りを披露したが第1エア手前で体勢が崩れて痛恨の転倒。「気持ちが入り過ぎた。オリンピックの世界、勝負の世界を改めて感じた。4年かけて成績を出せる選手になって戻ってきたい」と振り返った。

 武器はエア。小学4年の時、姉有紗さん(22)がモーグル大会の抽選会で、三重・桑名市にあるウオータージャンプ場の1カ月無料券を当てた。それを持って、夏休みは毎日、父行訓さん(57)とウオータージャンプ場へ通った。父が撮影したビデオを何回も見て、課題と分析を繰り返した。それを「ウオータージャンプ日記」につづった。課題と分析を繰り返し、多くの技を体に染み込ませた。

 そのエアとスピードを武器に昨年3月の世界選手権では2冠を達成。今季序盤は苦しんだが、今年1月のW杯で「ダブルフルツイスト(伸身後方1回宙返り2回ひねり)」と「コーク1080(軸をずらした3回転)」のともに最高難度のエアを決めて優勝した。弾みを付けて五輪に臨んでいた。

 小学生の時のPTA新聞には将来の夢として「オリンピックにでることです」と記していた。優勝候補とは無縁の立場で制した世界選手権から11カ月-。憧れていた初の大舞台でのメダル獲得とはならなかった。【上田悠太】