小平、メダルラッシュの要因は「自分が主役の思い」
平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)スピードスケート女子500メートルで日本女子初の金メダルを獲得した小平奈緒(31=相沢病院)が26日、韓国から帰国し、都内で日本代表選手団帰国時記者会見に出席した。
選手団主将の小平は、女子1000メートルでも銀メダルを獲得した。「当初、五輪が開かれる前に、主将として私なりの目標として『日本選手団の百花繚乱(りょうらん)』という言葉を掲げました。今回の五輪ではたくさんのメダルを獲得することが出来たのですが、やはり1番、重要なことは五輪に出場した選手みんなが、それぞれの舞台で、それぞれの思いを胸に、力強く最後まで戦い抜いたことを、やはり私は皆さんに見ていただきたかったなと思います」と、目にうっすら涙を浮かべながら、切々と訴えた。
その上で「皆さん、きれいな花を咲かせてくださったので、今度はその花たち…メダルを、輝かせることが出来るような、そんな競技生活を、今後もみんなで送っていけたらいいなぁと思います」と気持ちをあらたにした。
そして「私たちが、どんなに一生懸命な姿を見せても、やはり皆さんの伝える力がなければ、日本の国民の皆さんに届かなかったという思いもあるので、皆さん忙しい中、本当に私たちの思いと姿を伝えてくださってありがとうございました」と報道陣に心からの感謝の言葉を口にした。
スピーチの最後に、小平は「後に行われるパラリンピックと20年に行われる東京五輪の選手にバトンタッチできるよう、また私たちも次のチャレンジに向かって頑張っていきたいと思います」とあいさつした。
質疑応答では「五輪前は『出来ることなら主将は務めたくないな』という話もあった。終わってみれば、自身も金、銀、日本選手団も史上最多13のメダル。主将の役割を十分、果たしたのでは?」と問いかけられた。小平は「全ての選手が、自分が主役だと思って臨んでくれたことが結果につながった。葛西さんが、ソチ五輪の時に主将で銀メダルを取ってくださったので、主将がメダルが取れるということに変わっていけるんじゃないか」と言い、となりの葛西紀明(45=土屋ホーム)を見つめた
葛西は「そうですね。報道では主将、旗手はメダルが取れないというところもあった。今回は主将が2つ取っていただいたので、ジンクスはなくなったと思いますし、次も誰が主将になるか分かりませんが、もっともっとメダルを取ってくれると思う」と返し、笑みを浮かべた。【村上幸将】