3大会入賞なし…女子マラソン転換期、選考見直しも

 女子マラソンが転換期を迎えた。日本勢は3大会連続で入賞を逃した。金メダルを掲げた福士加代子(34)は14位、田中智美(28)は19位、伊藤舞(32)は46位。日本陸連の武冨マラソン部長は「1人1人のタフさが足りてなかった。(3大会入賞なしは)正直、厳しい」と顔をしかめた。

 南半球で冬のリオはスタート時の気温19度で走りやすい気候だった。スムゴングの優勝タイムは2時間24分4秒と平凡だったが、35キロからの5キロは16分30秒で走っている。急激なペースアップをみれば、タイムだけで勝負できると考えるのは早計。しかも20年東京五輪は猛暑の夏に行われる。

 福士を指導する永山監督は「指導法を変えないと。今は暑い時に涼しいところにいって、寒い時に暖かいところにいく。練習環境を求めすぎる。次の五輪は猛暑の中で戦うわけですから」と発言。田中を指導する山下監督は、選手の暑さに対する強さを測るデータ収集について「常に涼しいところで測定している」と注文をつけた。世界大会は夏に行われるが、代表選考レースは冬という現行のシステムも含めて見直しを検討しなければ、表彰台は遠のくばかりだ。【益田一弘】

 ◆女子マラソンVTR

 強い日差しが照りつけたレースで、日本勢は勝負どころを前に上位争いからこぼれ、福士が14位、田中が19位、伊藤は46位に終わった。9キロ手前で先頭集団はエチオピア、ケニア勢ら13人。日本勢は第2集団で追う展開になった。伊藤が11キロすぎ、田中も15キロすぎで完全に後れを取った。1度は先頭に追い付いた福士も21キロ手前で周囲のペースについていけず、後退した。先頭との差は徐々に広がり、巻き返すことはできなかった。勝負は36キロ付近のキルワのペースアップで大きく動き、優勝争いはM・ディババ、スムゴングを含む3人に絞られた。最後はスムゴングがキルワとの一騎打ちを制した。

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