【ボートレース】新聞記者は舟券を買っていいのか 蒲郡市職員の懲戒処分に思う
<公営担当・川尻将志>
何とも衝撃的なニュースだった。今月10日、蒲郡市がボートレース事業部職員の懲戒処分を公表した。
職員は勤務時間外にボートレースチケットショップなどで舟券を常習的に購入したほか、モーターボート競走事業会計予算、蒲郡競艇場警備等対策協議会予算で購入した宣伝用のクオカード、金券を私的に使用し、懲戒免職となった。その職員のことは我々、新聞記者もよく知っている。もちろん、舟券を買っていたこと、公費を私的に使用した事実は知らなかったが、彼のボートレースにかける情熱は本物だった。それだけに残念でならない。
先日、日本モーターボート競走会も全国の職員750人の聞き取り調査を行い、舟券購入を認めた職員の諭旨解雇を発表した。舟券の購入禁止は不正を防止するためでもある。例え不正がなくても、公平性、透明性を担保できないようでは、いつの日か必ずファン離れにつながる。公営ギャンブルの存在、根幹に関わる重大な案件だ。
偉そうなことを言ってしまったが、新聞記者は自由に舟券を購入することができる。誰よりも近いところで情報を得ているにも関わらず。当然、八百長に加担していることはないが、ファンの立場から見れば極めてアンフェアだ。これを機会に新聞記者、テレビ関係者を含め、現場で選手と接することができる人間は、舟券を購入することを禁止するべきだと思う。同業者からは烈火のごとく怒られるだろうが、ファンに対して示しが付かない。
少なくとも、私は買いません。純粋にレースの面白さ、選手の声を丁寧に、シンプルに届けることに集中したい。