【競輪】ビッグ決勝に30、40代ずらり 29年前ふるさとダービー決勝は20代が7人も
<競輪担当・村上正洋>
ベテランの頑張りには敬意を払いたい。不断の努力のたまものなのだろう。47歳にしてS班を継続している佐藤慎太郎には畏敬の念さえ覚える。
しかし…。ビッグの決勝に30、40代の選手がずらりとそろう現状を見れば、これでいいのかとも思う。今年のG1に限ると20代で決勝に乗ったのは全日本選抜1人、日本選手権4人、高松宮記念杯1人、オールスター1人。体力勝負のプロスポーツを考えると、これは異常な世界だろう。
別掲成績は滝沢正光・日本競輪選手養成所長の最後のビッグ優勝となったふるさとダービー小松島決勝だ。注目して欲しいのは20代が7人乗り合わせたこと。このレースに限らず、この時代には20代の選手が当然のように活躍していた。
思うに、当時の競走ギアの主流が3・57だったせいではないかと考える。年を重ねるとペダルを高速で回転させることが苦しくなる。現在の大ギア化がベテラン延命に貢献しているのだろう。また400バンクの場合、2周逃げ切る力が先行選手に求められる。G1では先行で勝ち上がることは難しくなった。
業界もニュースターの登場を期待するなら、それなりの施策が必要ではないか。幸いにして競輪界は活況だ。おカネの使い道は他にもあるはずだ。