【競輪】8年ぶり再開! リニューアルされた熊本バンクはコーナーの傾斜に「クセがある」
熊本競輪場が、いよいよ「Re:スタート」する。
16年4月の熊本地震でスタンドやバンクが甚大な被害を受け、16年3月の開催を最後に本場開催がストップしていた。総工費約53億円をかけてリニューアルされ、再開に先立って先月8日には内覧会が行われた。
改築されたメインスタンドは今年5月に完成し、3階には有料エリアが新設された。106席の特別観覧席に、車いす席が2席。ロイヤルシート(11席)やロイヤルボックス(2室=1室あたり5名まで)も設けられている。
有料エリアで目を引いたのが、2席設けられたグループ席(1席あたり3名まで)だ。大相撲の升席にも似た畳席で、靴を脱いでリラックスしながらレースを観戦できる。
夜間の開催を見据えてバンクにはナイター照明が14本、バック側には競技練習棟も新設された。
熊本市経済観光局、スポーツ・イベント部競輪事務所の西真一郎所長は「ファンや選手のみなさんをお待たせしてしまって、申し訳ない。いろんなご支援をいただいて、本当に感謝のひと言です。これからは愛される競輪場を目指して、まだ来たことがないという方にも来ていただきたい」とコメントした。
グランドオープンは来年度の予定。子供プールや映えスポットなどを作り、市民に愛される競輪場作りを目指す。
かつては滑走路と呼ばれ、日本一長い見なし直線を誇った500バンクは、見なし直線が60.5メートルの400走路に生まれ変わった。地元選手が「クセがある」と話すのはコーナーの傾斜だ。34度15分29秒は400走路としては松阪競輪場に次ぐ2番目の数字で、走る選手にとってはコーナー入り口が壁のように見えるはずだ。
地元の嘉永泰斗は「コーナーの入り口で結構、上っちゃうので、残り1周過ぎには先頭に立っていた方が堅いのかな。まくりは3角でツケマイできたら、2センターから外が伸びる。まくるなら早めの仕掛けか、一発遅めに、でしょうね」と、バンクの特徴を分析する。さらに「最初のF1に呼んでもらえたのは光栄ですね。地元を走る以上は優勝を狙っていけるように。メンバーはいいが、G1でも倒さないといけない相手。不足はない」と、今月20日からのF1「熊本競輪再建記念」に向けて意気込んだ。
109期以降の熊本勢は地元でレースを走ること自体が初めて。地元勢で一丸となって、開幕戦を盛り上げる。【音無剛】