【競輪】久田裕也セッティング変えて「視野が広くなった」 準決も積極的に仕掛ける/ヤマコウ
<松阪競輪:ザ・レオニズカップ>◇G3◇3日目◇16日
レース後の選手に話を聞こうと取材エリアに向かう途中、後ろから「すいません」と声をかけられた。よく話す選手なら「幸二さん」とか「ヤマコウさん」と言うはずだから「ん?」と振り返ると、声の主は千葉の水書義弘。
私の顔を見た瞬間「あ、すいません!」と謝ったので記者と間違えだのだろう。デビューしたての新人選手ならともかくベテラン選手に間違えられるのはショックだった…。
連日、久田裕也の走りが光っている。今のレース形態に合った先行が特徴だ。初日、2日目のホームカマシは、緩んだ瞬間に仕掛ける効率的な先行だと思う。
今は誘導のペースが上がり、後ろ攻めで逃げ切るのが難しくなった。ギアも上がり、スピードをもらって駆ける方が脚力のロスが少ない。ただ、後方で凡走の恐れがあるのでリスクも多い。ギアが上がるとトップスピードも上がる。そのセッティングに、どの選手も苦労しているようだ。
久田は「トップスピードを追求し過ぎてハンドルを下げ過ぎた。今回、少し上げてレースの視野が広くなった」。それが今節の動きにつながっている。体を前傾させると、前に体重が行くので効率的に踏める。ただ、そこに傾注し過ぎてレースに対応しづらくなっていたことに気が付いた。
準決11Rの自力相手は長島大介に絞られる。車番は不利だが、航続距離や積極性は久田の方が上だ。村田が落車欠場して波乱含みのシリーズとなったが、しっかり組み立ててファンの注目を浴びて欲しい。(日刊スポーツ評論家)
【準決11R:ヤマコウの印】◎久田裕也 ○堤洋 ▲長島大介 ☆杉本正隆 △福田知也