【競輪】西村光太「前を回って気持ちで頑張る」タテ足1本ではなく切り込む勇気も必要/ヤマコウ
<松阪競輪:ザ・レオニズカップ>◇G3◇最終日◇17日
3日目は一日中雨が降り続き、肌寒かった。そんなコンディションでも、決勝進出を決めた海老根恵太は、うれしかったのだろう。レーサーシューズのまま現れた。
堤洋に至っては、ぬれたユニホームのままだ。
最近は雨が降ると選手事情を考え、1着インタビューを行わない場が多い。しかし、1着を取ってうれしいことに加え「どうせぬれているので構わないよ」と思う選手は多いと思う。私はそうだったし、エビちゃんや堤のびしょぬれの姿を見て、そう感じた。
自力選手が星をつぶし合って、決勝で動く選手は長島大介だけとなった。しかし長島は、初日に鈴木竜二の後ろで1着を取ったものの、2予、準決と仕掛けが遅く「自力選手として勝負してない」と威勢のいい言葉が出てこなかった。
逆に、皿屋豊の先行に乗って3着に食い込んだ西村光太の気合が印象に残った。「皿屋さんにおとこ気(打鐘先行)を見せられたので、まくりは止めなければと思った。直線で何とか波を作れば(皿屋が)残るかな」と思って踏んだが、中を笠松信幸が伸びた。
私の見立てでは笠松はただ前を踏んだだけで、西村の追い込み技術が足りなかった。それでも、皿屋の番手で感じるものがあったのなら成果も期待できる。「笠松さんには厳しく鍛えられた。ここまで来たら自分が前を回って気持ちで頑張る」と言う。
レースは長島の自力1車で混戦も考えられる。西村はタテ足勝負でここまで来た。ただ、タテ足だけで勝負するのではなく、チャンスがないと思えば切り込む勇気も必要だろう。(日刊スポーツ評論家)
【決勝:ヤマコウの印】◎西村光太 ○長島大介 ▲笠松信幸 ☆芦沢辰弘 △塚本大樹