【競輪】吉川美穂グランプリへ背水の陣 タイトル獲得には自在性を磨くことが近道/ヤマコウ
<小倉競輪:競輪祭女子王座戦>◇ガールズG1◇初日◇19日
競輪祭独特の緊張感が漂っていた。ボーダー付近の選手はピリついたムード、そうでない選手はいつも通りリラックスした対比が人間模様を感じさせる。
地元の児玉碧衣は久留米G1オールガールズを優勝して出場資格はあるものの、それ以降リズムが悪い。地元地区でどこまで立て直せるかでガールズGPにも影響するだろう。
逆に昨年の賞金女王、佐藤水菜は出走は少ないものの抜群の脚力を誇っている。1Rは断トツの人気になるだろうが、吉川美穂の走りも注目したい。
直前の和歌山は普通開催ということもあり、脚力とレース運びが一枚違った。しかし、G1に出場する選手は脚力も変わらないので、時に迷いを感じる。脚力を佐藤や児玉クラスに上げるのは難しいので、吉川は何を磨くのが近道か。
ヒントは久留米オールガールズ決勝と、岸和田G1パールカップ初日にあると思う。2つのレースは共に児玉の後ろが並走になった。久留米は野口諭実可で、岸和田は当銘直美だった。久留米は取り切り、岸和田は当銘のこだわり勝ちだった。
こだわった時とそうでない時の違いは何か。本人に聞くと「なんででしょうね」と失笑気味だった。
吉川はロードレース経験者なのでレースの隙を付くのがうまい。普通開催ならそれでいいが、G1になると、脚力ある選手が相手になるので勝ち切れない。
2つのレースは自在戦の強みと弱みが出た。勝ちたいレースほど脚力を温存したい。しかし、G1を取るためにはそこをクリアすることが大切になる。(日刊スポーツ評論家)
【1R:ヤマコウの印】◎吉川美穂 ○佐藤水菜 ▲石井寛子 ☆奥井迪 △飯田風音