この状況に森保監督は「W杯出場をまず1つの目標として戦っているので、その瞬間が早く訪れるということは喜び。世界一になるという高い目標を持ちながら、1歩1歩目標に向けて前進していきたい」。早期決定の時間を使ってチームにさらなる進化を求める。
この2戦ではFW小川やDF菅原がゴールを決めるなど“代役”が活躍。MF南野は「選手たちにはまだまだ競争がある」。時間が増えれば、より選手層に厚みが加わるとみられる状況に意欲を見せた。
19日の中国戦ではCK、過去に課題とされてきたセットプレーから2点。中国側がピッチを1・5メートルずつ、左右合わせて合計3メートル縮めて日本のサイド攻撃を圧迫する構えを見せた。その分、ゴールに近くなったCKから得点するしたたかさ。南野は「(CKの得点は)狭かったからっていうわけじゃないけど。前田コーチを含め、スタッフがいろいろアイデアを出してくれて。しっかり決まってよかった」。日本のセットプレーからの複数得点は4年ぶり。22年カタール大会の最終予選ではPK以外からはゼロだっただけに、確実に課題を改善している。
左足でFW小川のヘディング弾をアシストしたMF久保は「次のバーレーン戦に勝って突破を決めれたらベスト。ここは通過点でしかないので、早く突破決めれば決めるだけ、本番に向けていいチームができるかなと思う」。着実にレベルアップを続ける最強の日本が、448日を使って、最高の準備を整える。
◆W杯出場の行方 日本は来年3月20日にホームで行われる次戦でバーレーンに勝つとC組2位以上が確定し、3試合を残して8大会連続のW杯出場が決まる。過去の最速突破は10年南アフリカ大会の残り2試合で開催国を除いて世界最速だった。日本はバーレーンに引き分けても、他チームの結果次第でW杯の切符を手にする可能性がある。
◆森保ジャパンのセットプレーからの得点 1試合2得点(PK除く)は19年12月14日の東アジアE-1選手権香港戦以来、約4年ぶり。CKの流れから田川と小川がともに頭で決めた。日本は今回のW杯アジア最終予選で22得点を挙げているが、4点がCKから。9月5日の初戦、中国戦で久保の左CKを遠藤が頭で先制。10月10日の敵地サウジアラビア戦でも伊東の右CKを小川が頭で決めた。開幕から1勝2敗で森保監督の解任の可能性も浮上した前回カタール大会最終予選はPKを除くセットプレーからの得点が1点もなく、苦戦の一因となった。
◆競技フィールド 国際試合においてはタッチライン(縦)が最小100メートル~最大110メートル、ゴールライン(横)が最小64メートル~最大75メートルで、この範囲内でその長さを設定することができる。国際サッカー連盟(FIFA)は縦105メートル×横68メートルを標準規格にしている。