INAC仲田、代表組抜く「ビビらず、萎縮せず」

 なでしこリーグのINAC神戸MF仲田歩夢(あゆ、22)が10日、ヤングなでしこ世代の見返しを誓った。神戸市内で約2時間の練習を実施。チームには11日になでしこジャパンメンバー7人が合流する予定だ。

 2~3月のINACは韓国代表、U-23(23歳以下)日本代表もチームを離れ、残されたフィールドプレーヤー9人で練習を積んだ。密度の濃い練習で個々のレベルは上がり、仲田も「今だけじゃなくて、(代表組が)合流してからも(監督の)目につくプレーをできるようにしたい。ビビらず、萎縮せず。私も含めて、若い選手がガチガチになってはいけない」と意気込む。

 サイドからの突破を得意とするが、近年は考えすぎで、プレーの思い切りが薄れた。「こんなに下手くそだったかな?」「昔はできていたのに…」。そこに明るい兆しが見えた。松田監督ら首脳陣から、代表組の不在中に厳しい指摘を受け「意識し続けられたので、積極的に自分で突破する意識がこの期間で上がった」。次なるハードルは代表選手合流後も、同じプレーを続けることだ。

 仲田は日本開催だった12年のU-20女子W杯で一躍脚光を浴びた。チームは過去最高の銅メダル。そこから一直線に若手の台頭が期待されたが、前日9日まで行われていたリオデジャネイロ五輪アジア最終予選メンバー入りを果たしたのはFW横山のみ(FW岩渕はロンドン五輪専念のため、当時U-20W杯は招集見送り)だった。仲田は韓国戦、北朝鮮戦を金鳥スタで見守り、複雑な思いを抱いた。

 「なでしこは五輪に行くのが当たり前って感じがあったから、あれだけ意識高くやっている人でも行けないと批判にさらされて。『世代交代した方がいい』って言われているけれど、私たちの世代がこんな状況じゃなければ、そういうことにならなかった。なでしこは私も目指している場所。悔しいし、人ごとじゃない。上の選手からしたら『代表なりたいなら、抜いてみろ』っていう感じだと思う。食らいついていかないといけない」

 今季は松田監督から副将に指名された。なでしこジャパンFWの高瀬主将、同MF中島副将、同DF田中副将と4人でチームをまとめ上げる。「今までは自分だけやればいいっていう感じだったけれど、自分がやらないと周りに言えない。前よりチームのことを考えるようになった」。なでしこジャパン入りへ、まずはチーム内での激しい競争を勝ち抜かなければならない。開幕戦は今月26日のコノミヤ戦(ノエスタ)。20年東京五輪への再出発は、横一線だ。

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