天才バイロン努力覚えた、青森山田Vの裏に1冊の本
<全国高校サッカー選手権:青森山田3-1流通経大柏>◇決勝◇14日◇埼玉
青森山田(青森)が流通経大柏(千葉)を破り、2年ぶり2度目の優勝を決めた。
FW佐々木銀士(3年)とMFバスケス・バイロン(3年)のアシストも光った。佐々木は前半40分、MF天笠泰輝(3年)のロングフィードに右サイドを駆け上がり、中央のMF檀崎竜孔(3年)へクロス。同点弾を演出し「天笠のボール奪取はすごい。練習から素早いカウンターを意識していました」と白い歯を見せた。後半18分にはバイロンが個人技で右サイドを突破。中央の檀崎へクロスを入れ、逆転弾につなげた。「準決勝のハーフタイムに、正木コーチから『竜孔は右利きだからマイナスのクロスを狙え』と言われた」と喜びを爆発させた。
昨年2月、1冊の本がバイロンの意識を変えた。アンジェラ・ダックワースの著書「やりぬく力」に、「才能と努力が合わさって技術になる」とあった。これまで「才能だけでやってきた」という天才肌が、ウエートトレーニングなどの「努力」を覚えた。今季最初のサッカーノートには「うそ偽りなく日本一を目指す」と記した。「まさか日本一になれるとは。3点目が入った瞬間、ウルっときました」。優勝のホイッスルに、涙が止まらなかった。【杉山理紗】