【広島】9年ぶりV目前スキッベ監督4年目来季も続投へ、現役引退の青山敏弘は即コーチで入閣か
9年ぶりのリーグ優勝が目前に迫ったサンフレッチェ広島のミヒャエル・スキッベ監督(59=ドイツ)が、就任4年目となる来季も続投の方向になったことが1日、分かった。複数の関係者が明かした。一時は韓国代表監督への就任も打診された名将は、最優先の広島で長期政権を築く。今季限りで現役を引退する元日本代表MF青山敏弘(38)は来季、同監督の下で即コーチに就任する計画も浮上した。
◇ ◇ ◇
かつてドイツ代表コーチも務めた名将が、広島で就任4年目の指揮を執る方向となった。
22年ルヴァン杯で初優勝に導き、リーグ戦は22、23年が連続3位で、4試合を残す今季は前節まで首位。森保監督時代以来、9年ぶりのリーグ優勝が目前に迫っているが、その結果に関係なく、クラブは指揮官の実力を認めている。
広島では複数の位置で選手を起用し、その能力を最大限に引き出すマネジメント能力は秀逸。世界、中東からも常に引き抜きの可能性がある名監督だ。
23年2月に元ドイツ代表FWのクリンスマン氏が韓国代表監督に就任したが、実はその前の段階で、スキッベ監督へ就任の打診があったものの、広島残留のために固辞したという。
推定年俸は格安の5000万円。それでも本人がJリーグの環境、広島のクラブ、日本の文化が気に入っており、4年目の指揮に障害は何もない。
さらに指揮官は、来季の組閣に今季限りで引退するクラブ一筋21年の青山の入閣を希望しているという。2人は互いにリスペクトする関係で、青山の体が現役選手並みに動くのであれば、スキッベ監督はトップチームで自らの管轄下に置きたいようだ。
23年限りで引退し、今季からトップチームと下部組織の巡回GKコーチに就任した林卓人氏(42)のような形にする可能性もあり、クラブが人事の最終判断を行う。
いずれにせよ、クラブにも青山本人にも将来、広島の監督に就く青写真がある以上、現指揮官の下で帝王学を身につけるのは、最善の策になる。選手も指導者も自前で育成していく広島らしい人事で、新たな黄金時代の到来を予感させる。
◆ミヒャエル・スキッベ 1965年8月4日、ドイツ生まれ。現役時代はFWでシャルケに在籍。引退後はドルトムント、レーバークーゼン、ガラタサライ監督や、02年W杯日韓大会ドイツ代表コーチ、ギリシャ代表監督などを歴任。22年から広島監督に就任し、同年ルヴァン杯優勝、J1優秀監督賞受賞。J1通算50勝28分け24敗。180センチ。
◆青山敏弘(あおやま・としひろ)1986年(昭61)2月22日、岡山・倉敷市生まれ。作陽から04年広島入りし、主にボランチで主将も務めた。大きなけがを何度も克服し、J1優勝3度(12、13、15年)など多くのタイトル獲得に貢献。15年はJリーグ最優秀選手賞受賞。日本代表として14年W杯ブラジル大会出場、国際Aマッチ12試合1得点。J1通算443試合20得点。173センチ、74キロ。