【新潟】“元FW”DF藤原奏哉が劇的同点弾「ふかさないように」敵地柏で勝ち点1もぎ取る

  • 柏対新潟 後半、新潟藤原は同点ゴールを奪う(撮影・小沢裕)
  • 柏対新潟 サポーターにあいさつする新潟イレブン(撮影・小沢裕)
  • 柏対新潟 後半、新潟藤原(右)は同点ゴールを奪う(撮影・小沢裕)

<明治安田J1:柏1-1新潟>◇9日◇第36節◇三協フロンテア柏スタジアム

アルビレックス新潟はJ1残留を争う勝ち点1差の柏レイソル(17位)とアウェーで直接対決し、1-1で引き分けた。順位は16位のまま。0-1の後半追加タイム4分、右DF藤原奏哉(29)が途中投入のFW小見洋太(22)のラストパスを右足ボレーでたたき込み、土俵際で勝ち点1をもぎ取った。J2降格圏の18位ジュビロ磐田(1試合未消化)がガンバ大阪に敗れたため、新潟は磐田との勝ち点差を5から6に広げた。

神出鬼没な右サイドバックが、敗色濃厚なチームを救った。藤原は0-1の後半追加タイム4分、DF橋本健人(24)の左クロスを小見が頭で落としてたところに後ろから走り込み、右足ダイレクトボレーをゴール左隅にたたき込んだ。「ルヴァン杯(2日・決勝)で同じようなシーンで外していた。ふかさないように意識した」。熊本・ルーテル学院高3年時にFWでプレーした嗅覚を生かした今季5得点目が、貴重な同点弾となった。

今季リーグ戦の欠場は1試合のみ。第7節から30試合連続フル出場の鉄人だ。守備では対峙(たいじ)した柏MFマテウス・サヴィオ(27)の良さを消し、攻撃では外と内に立ち位置を変えながら組み立てに加わり、守備の穴を探した。「欲をいえば勝ちたかったが、難しい展開の中で1ポイントをもぎ取ったことはプラス」。勝利とはならず納得はしなかったが、敵地での勝ち点1を前向きに捉えた。

「難しかった」と語ったように、中央を固める柏の守備に苦戦。チームとして狙いを持ってサイド攻撃を仕掛けたがゴール前への進入は遮断された。それでも終盤は後方からアバウトなボールも増やして相手の守備網を緩め、両サイドバックが絡んでゴールを奪った。「最後はうまく幅を使えた。ゴール前に人数をかけることができた」と振り返った。

残留を争うライバルと勝ち点を分け合ったが、18位磐田との勝ち点差は6に広げた。ホーム最終戦となる次節30日はG大阪と対戦する。「(次節まで)間が空くのでプラスに捉えたい」。リーグ残り2試合で勝ち点「6」を取って自力残留を決めるため、気を緩めず準備を進める。【小林忠】

○…(藤原の同点弾の起点となる左クロスを上げた)DF橋本は「柏のファーサイドが空くことはスカウティングであった。あとは小見ちゃんと(藤原)奏哉の質の高さで決まった」と土俵際での同点劇に胸をなでおろした。

◆松橋力蔵監督(56)「ゴール手前までは自分たちらしさを出せたが、最後が難しかった。ただ、選手が頑張り、しっかりと得点できた。(あと2戦は)粘り強いとか、劇的とかはいらない。とにかく勝つ」