【川崎F】来季監督に長谷部茂利氏の就任が決定的 中村憲剛氏のコーチ起用の可能性も浮上

  • 中村憲剛氏(2024年9月20日)

川崎フロンターレの来季監督に、福岡を今季限りで退任する長谷部茂利監督(53)の就任が決定的となったことが14日、分かった。今年、プロライセンスを取得したクラブOBの中村憲剛氏(44)がコーチとして起用される可能性も浮上。関係者によると、クラブは正式オファーを出しており、交渉は大詰めを迎えているという。

今オフの目玉人事だった長谷部監督の行き先は、古巣に決まりそうだ。97年に1シーズンだけ期限付き移籍でプレー。竹内弘明GMや向島建スカウトら、戦友と約30年ぶりに共闘する。複数クラブから興味を示されていた中で義を貫いた。

これまでJ2の千葉、水戸、福岡の監督を歴任し、現在も率いる福岡では1年目の20年にJ1昇格。21年には過去最高のリーグ8位に導いた。23年にはリーグ最高位を更新する7位まで押し上げるとともに、ルヴァン杯を獲得。クラブに初のタイトルをもたらした。

戦力が限られる福岡では「最適なプレーモデル」と堅守速攻を強みとしたが、川崎Fが志向する攻撃的なスタイルにも不安はない。現役時代は黄金期のV川崎(現東京V)でラモス瑠偉氏とポジションを争った司令塔。クラブカラーにフィットする可能性は高い。マネジメント能力もリーグ屈指で、人望も厚いという。

クラブは苦境に立つ。今季はリーグ戦で2桁順位に沈み、既に2年ぶりの無冠が決定。8シーズンで7冠に輝いた鬼木達監督(50)は、今季限りで退任する。後任として白羽の矢が立ったのは申し分のない人材。クラブのレジェンドを初入閣させ、立て直しを図る。

◆長谷部茂利(はせべ・しげとし)1971年(昭46)4月23日、横浜市生まれ。桐蔭学園-中大。94年V川崎(現東京V)入り。川崎F、神戸を経て市原(現千葉)で03年に引退。06年から指導者の道に。現役引退後はプロゴルファー転向を目指した異色の経歴を持つ。

◆中村憲剛(なかむら・けんご) 1980年(昭55)10月31日、東京・小平市生まれ。都立久留米高-中大。03年に川崎F入り。20年限りで引退するまで川崎F一筋。16年JリーグMVP。06年10月4日のガーナ戦で日本A代表初出場。10年W杯南アフリカ大会出場。クラブFRO。