【天皇杯】途中出場の佐々木大樹が決勝点の起点に「チームとしてやりたいことがうまくいった」

  • 神戸佐々木大樹(2024年9月25日撮影)
  • G大阪に競り勝ち優勝を果たし、大喜びの佐々木(手前)と神戸の選手ら(共同)

<天皇杯:G大阪0-1神戸>◇23日◇決勝◇国立競技場

ヴィッセル神戸がガンバ大阪を下し、5大会ぶり2度目の優勝を果たした。

勝敗を分ける試合の節目となったのは、神戸の選手交代だった。

後半14分、吉田孝行監督(47)はMF井出遥也(30)に代えてFW佐々木大樹(25)を投入。この5分後に、試合が動くことになった。

神戸は前線へロングボールを送ると、最前線に動いた佐々木がつぶれ役となってボールをこぼす。これを拾ったFW大迫勇也(34)がゴールを背にしながら左に動いたMF武藤嘉紀(32)に送り、武藤がシュート性のボールを中央に入れたこぼれ球を、最後はFW宮代大聖(24)が右足で押し込んだ。

この攻撃の起点となった佐々木は「あれはチームとしてやりたいことの1つなので、うまくいったなっていう感覚でした」。ターゲットとしての役割もこな佐々木は、チームで生み出した決勝点に胸を張った。

吉田監督からは「試合を決めてこい」と送り出された。天皇杯で準決勝まで4戦連続ゴールを決めていただけに、この試合でも狙っていた。結果的に得点記録途絶えることになったが、指揮官は働きを絶賛。「本当に素晴らしい選手だし、今日も素晴らしい活躍だった。決勝もスタートで使おうと迷ったが、試合の流れを変えられる選手を置いておきたかった。彼自身がたくましくなっているし、チームのことも考えられるようになっているのは、人としての成長でもある。今日の勝利は大樹なしでは無理だったし、役割に徹してくれた」と考え通りの貢献をたたえた。

神戸アカデミー育ちのアタッカーは、2年連続のタイトル獲得に「昔僕が見ていたヴィッセルとは違うので、感慨深いですね」と笑顔。自身についても「シンプルに成長は感じています」と話し、大舞台でのパフォーマンスに確かな手応え得た様子だった。【永田淳】