ユーロVでイタリアに光「コロナで失ってきたものを再び感じた」

  • 優勝を飾り、歓喜するイタリアのメンバー(ロイター)
  • PK戦を制して優勝を飾り、歓喜するイタリアの選手(ロイター)
  • 歓喜するイタリアのサポーターら(ロイター)

<欧州選手権(ユーロ2020):イタリア1(PK3-2)1イングランド>◇決勝◇11日◇ロンドン・ウェンブリー競技場

イタリアが1968年以来、13大会ぶり2度目の優勝を飾った。無敗記録は34試合に伸びた。

1-1からの延長戦でも決着がつかず、PK戦に突入。イタリアGKドンナルンマ(ACミランと契約満了)が好セーブを連発して勝利をつかみとった。同点ゴールのイタリアDFボヌッチ(ユベントス)がマン・オブ・ザ・マッチに選ばれ、大会MVPには準決勝、決勝と2戦連続PK勝利に貢献したドンナルンマが輝いた。

イタリア国内では多くのファンが喜びを爆発させた。ローマでは数千人のファンが通りに出て、車のクラクションを鳴らし、花火を上げ、大声でチャントを歌った。06年W杯ドイツ大会で優勝して以来となるメジャー大会での勝利に国中が沸いた。

ローマでのパブリックビューイングに参加したファブリツィオ・ガリアーノさん(29)は「世界中の他の国と同様に僕らは1年半もの間、コロナウイルスに苦しみ、疲弊してきたけど、そこから抜けだしつつある。だからこそ、この優勝には意味がある。スポーツは僕らを1つにするけど、スポーツを超えて、僕らが失ってきたものを再び感じることができた」と話した。

多くのイタリア人は欧州選手権での優勝を、この16カ月間の何段階ものロックダウンに苦しんできたイタリアの再スタートだと見ている。イベントプロデューサーのマチルダ・ソルファネッリさん(30)は「誰にとっても複雑な1年だったと思うけど、最初にコロナウイルスに感染した国の1つであるイタリアにとっては特にそうだった。でもこれが新たなスタートのサインだと思う」と喜んだ。

イタリアではロックバンド・モネスキンが5月に「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト2021」で優勝。テニスのウインブルドンではマテオ・ベレッティーニが準優勝。ダビド・ベローモさん(23)は「もう少しで僕らイタリアは“3冠”だったんだ」と笑顔を見せた。