【アジア杯】カタール2連覇 ロペス監督は開幕1カ月前に就任「皆の記憶に残るのは勝者だ」
<AFCアジアカップ(アジア杯)カタール大会:ヨルダン1-3カタール>◇10日(日本時間11日)◇決勝◇ルサイル競技場
前回王者のカタール(FIFAランキング58位)が史上5カ国目の2連覇を遂げた。自国開催大会でヨルダン(同87位)を3-1で退け、優勝賞金500万ドル(約7億2500万円)を獲得。00、04年大会の日本以来となる2大会連続の頂点に立った。FWアクラム・アフィフ(27=アルサド)が全てPKで決勝史上初のハットトリックを達成。今大会8ゴールで得点王と最優秀選手(MVP)に選ばれた。4強以上が初めてだった伏兵ヨルダンは力尽きた。次回27年大会はサウジアラビアで開催される。
失望の地で、感慨に浸った。22年W杯で開催国史上初の1次リーグ3戦全敗。屈辱にまみれた地元でアジア王座を守った。詰めかけた8万6000人超の熱狂を取り戻し、決勝史上初のハット達成で胴上げされたアフィフは「僕らは勝利に値した」と喜びを語った。
前半22分にVARからのPKで均衡を破る。右の靴下からカードを取り出し「S」の文字に変える手品を披露した。初めて試合に招いた夫人の頭文字で感謝をささげると、後半もPKで2発。計8ゴールの得点王とMVPで大会2連覇に貢献した。W杯決勝が行われたルサイル競技場で、代名詞のアフロに歓声が注がれる。07年以来3度目の中東勢ファイナルを、前回5年前に日本を粉砕した時と同じ3-1で、再び制した。
スペイン人のロペス監督は昨年12月、W杯4大会指揮のケイロス監督が電撃退任した後、開幕1カ月前にして再建を託された。救いは一体感。登録選手26人が全員国内組で、同国リーグのアルワクラを18年から指揮していたため「選手たちとの関係にアドバンテージがあった」と強調する。一体感を武器に、シュート本数こそ8-16とヨルダンを下回ったが「美しいサッカーではなかったかもしれないが、皆の記憶に残るのは勝者だ」と自負を込めた。
日本、イラン、韓国、オーストラリアが敗退した大会で、主将ハイドスですら「誰も予想できなかったはずだ」というV2に、前回から14戦無敗でたどり着いた。04年創設の育成機関アスパイア・アカデミーの傑作アフィフは「もっとできる」と未来を見た。アジアから世界に、再挑戦する。
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