ソチ五輪

アルペンスキー

競技ガイド

アルペン競技とは
 欧州のアルプス山系を背景に発達したスキー競技。「スピード系」と呼ばれる滑降(ダウンヒル)とスーパー大回転(スーパーG)は滑走距離が長く、コブを飛ぶなど迫力が魅力。「技術系」の回転(スラローム)と大回転(ジャイアントスラローム)は急斜面での高度なターン技術が求められる。滑降と回転1回を1日で競うスーパー複合を含め、ソチ五輪では男女各5種目が行われる。
競技の見どころ
 冬季の花形種目。欧州では非常に人気が高く、冬季は毎週のように大会がテレビ中継されている。男子滑降では時速130キロ以上に達することもあるスピードと、その中でスキーを操るテクニックが魅力。100分の1秒単位で勝負を決する。わずかな滑走姿勢の乱れや、旗門通過時のミスがタイムに影響する。
日本代表選手とライバル
 日本代表は男子回転の湯浅直樹と佐々木明の2人だけとなった。エース湯浅は1月19日のW杯で右足首を骨折し、リハビリからぶっつけ本番で挑む。4大会連続出場となる佐々木は、今季限りの引退を表明。かつて欧州勢をもうならせたスピードを最後に見せられるか。技術系はノイロイター(ドイツ)、ヒルシャー(オーストリア)、スピード系はスビンダル(ノルウェー)らが金メダル候補。女子はタイガー・ウッズの恋人として知られる第一人者のリンゼイ・ボン(米国)が右膝負傷のため残念ながら欠場する。
ルール
滑降
 アルペンの中で最もコースが長く、スピードが速い競技。男子なら最高時速が140キロに達する。コースは全長約3キロ。最大斜度30度以上で、標高差は男子が800〜1100メートル、女子は500〜800メートル。コース途中には2、3カ所のジャンピングポイントも設けられている。基本的に1回の滑りで勝敗を競う。
スーパー大回転
 滑降同様に高速で斜面を滑り降りながら、比較的大きなカーブを曲がることを要求される種目。基本的に1回の滑りで勝敗を競う。88年カルガリー大会から正式種目となった。
大回転
 回転に次いで旗門数が多く、カーブを正確に曲がることを要求される種目。S字を描くように左右に振られる様々なカーブを組み合わせたコースを使用。旗門設定を変えたコースを1回ずつ滑り、合計タイムを競う。
回転
 旗門数が多く、細かいカーブを素早く正確に曲がることを要求される種目。男子は、標高差180〜220メートルで旗門数は55〜75。女子は標高差130〜180メートルで旗門数は45〜60。旗門の設定を変えたコースを2回滑り、合計タイムを競う。
スーパー複合
 滑降(スーパー大回転)と回転を1回ずつ滑り、その合計タイムを競う。
歴史
 五輪には1936年ガルミッシュパルテンキルヘン大会から採用。現在の5種目になったのは88年カルガリー大会から。日本選手は56年コルティナダンペッツオ大会で猪谷千春が男子回転で銀メダルを獲得。しかし以後、メダルを獲得した選手はなく、06年トリノ大会の男子回転で皆川賢太郎が4位、湯浅直樹が7位。前回の10年バンクーバー大会では佐々木明が18位にとどまっている。

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