明子うおのめに泣く、靴あわず8位
[ 2014年2月21日6時34分
紙面から ]<ソチ五輪:フィギュアスケート>◇19日◇女子SP
フィギュアスケートの鈴木明子(28=邦和スポーツランド)の、最後の五輪は涙でスタートした。冒頭でトーループの3回転-3回転がコンビネーションにならなかった。スピンとステップはすべてレベル4を獲得したが、ジャンプの失敗が響いて、60・97点のSP8位。日本人最上位となったが「最初の3回転-3回転はとにかくここ4年でやってきたこと。跳びたかった」と悔し泣きした。
演技の13時間前。午前練習後の取材エリアに、鈴木の泣き声が響いていた。両目から涙をボロボロこぼして歩いた。スケート靴が合わない。昨年末の全日本選手権で左足が、年明けからは右足小指にうおのめができた。鈴木は「小指が痛くて、だいぶよくなったが、練習を積んでこなかった。年が明けてから圧迫と炎症。左をかばって、右にも負担がかかっていた」。
痛みに加え、得点源の3回転-3回転も決まらず、SP当日の朝から泣いていた。長久保コーチは「悩んだまんま。これが五輪でしょうね。足が痛い時と同じ体の動き。うおのめ、すごくひどいもの。朝から大泣きしていた」と口にした。
摂食障害を乗り越えた10年バンクーバー五輪は8位に入った。今季限りでの引退を公言して臨んだ五輪。鈴木は「ミスはあっても、絶対に最後まで自分のスケートを貫くと決めていた。そこはできたので受け入れられた。ミスをしても切り替えて、何度も何度もそういう試合をしてきた」。1つでも順位を上げて、有終の美を飾る。【益田一弘】