ソチ五輪

フィギュアスケート

競技ガイド

フィギュアスケートとは
 スピンやジャンプ、ステップなどを組み合わせ、音楽に合わせて氷上で演技する競技。種目には、男女シングル、ペア、アイスダンス、さらに今大会から団体が加わった。フィギュアとは「図形」という意味。湖などに張った氷に、スケート靴のエッジで円などの形を描いて遊んでいたのが始まりとされている。
競技の見どころ
 かつてはスタイルの良い欧米勢が圧倒的に強かったが、伊藤みどりがトリプルアクセルを武器に台頭。89年世界選手権を制し、92年アルベールビル五輪で銀メダルを獲得するなど、以後のアジア選手躍進の道をつくった。今大会は日本のシングル代表6選手全員にメダルの可能性があるほど層が厚くなり、新しく導入された団体でも表彰台が期待される。
日本代表選手とライバル
 女子シングルは前回に続き浅田真央と金妍児(韓国)が金メダル候補。浅田は06年トリノ大会の荒川静香に続く日本勢2人目の金メダルを狙う。金妍児が勝てば84、88年大会を制したビット以来史上3人目の2連覇となる。鈴木明子、村上佳菜子も十分にメダルを狙える実力がある。ライバルは欧州女王のリプニツカヤ(ロシア)、米国の新鋭ゴールドら。男子の日本勢は世界王者チャン(カナダ)、欧州選手権2連覇のフェルナンデス(スペイン)らとメダルを争う。日本のエース羽生結弦とフェルナンデスは同じカナダ人のオーサー・コーチの指導を受ける「同門」だ。
ルール
 ショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)を行い、合計点で争う(アイスダンスはショートダンスとフリーダンス)。SPは決められた7つの必須要素を入れてプログラムを構成する。演技時間は男女とも2分50秒以内。フリーはプログラムに含むことのできる要素を組み入れて自由に演技を構成する。演技時間は男子は4分30秒、女子は4分(10秒前後の増減は可能)。
 新種目の団体は、男子、女子、ペア、アイスダンスとも1位に10点、2位に9点…10位に1点が与えられ、国別に合計点を争うもの。SPの上位5カ国がフリーに進出する。最低3種目の出場が義務づけられ、2種目まではSPとフリーで異なる選手を起用できる。団体メンバーは個人種目の代表で構成するが、出場枠を逃した種目では団体要員が認められる場合もある。
ジャンプの種類(すべて利き足が右足の場合で説明)
用語 説明
アクセル
 唯一、前向きに跳ぶジャンプ。左足のアウトサイドのエッジで踏み切り、後ろ向きに右足で着氷する。前向きジャンプは最も難しいとされる。
サルコー
 後ろ向きに左足インサイドのエッジで滑り、右足を前方に振り上げながら跳ぶ。右足のトーは突かない。足が片仮名の「ハ」の字になるのが特徴。
ルッツ
 後ろ向きのまま少し長めに助走に入るのが特徴。そのまま左足アウトサイドのエッジで踏み切り、その際に右足トーを突く。着氷は後ろ向きに右足。
フリップ
 後ろ向きに左足のインサイドのエッジに乗り、右足のトーを突いて跳ぶ。ルッツと似ていて、アクセル、ルッツに続いて難しいとされる。
ループ
 後ろ向きに右足アウトサイドのエッジで跳ぶ。左足が少し前に出る形でトーは突かない。連続ジャンプの後半はすべて、ループかトーループになる。
トーループ
 ループと同じ右足アウトサイドのエッジで跳ぶが、違いは左足でトーを突くこと。最も簡単とされる。4回転ジャンプはほとんどトーループ。
採点方法
 かつては相対評価の6点満点方式だったが、2002年ソルトレークシティー大会の不正採点事件を機に、透明性を高めるために加点方式を導入した。ジャンプやスピンなど要素ごとに難度に応じた基礎点を定め、出来栄えでジャッジが加点、減点した合計が技術点。技のつなぎなど表現力を示す5項目を得点化した演技点と合算して争う。世界歴代最高は男子がパトリック・チャン(カナダ)の295・27点、女子は金妍児(韓国)の228・56点。
歴史
 1908年ロンドン、20年アントワープの夏季五輪で実施されたが、24年のシャモニー大会から冬季五輪正式種目として男女シングル、ペアが採用された。76年インスブルック大会からアイスダンスが正式種目に加わった。
 日本勢は伊藤みどりが92年アルベールビル大会で銀メダルを獲得。06年トリノ大会で荒川静香が日本人初の金メダルに輝いた。10年バンクーバー大会では、男子の高橋大輔が銅メダルを獲得し、日本男子初のメダルを手にした。女子の浅田真央は銀メダルだった。

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