ミーシャの孫、ソチ五輪終幕告げる
>拡大写真
閉会式で熱戦に終わりを告げたのは、1980年モスクワ五輪のマスコットでロシアの人々の記憶に残るクマの「ミーシャ」の孫とされるホッキョクグマだった。五輪旗が次回の開催地、韓国の平昌に引き継がれ、国際オリンピック委員会のバッハ会長が閉会を宣言した後にハイライトが待っていた。
今大会のマスコットのホッキョクグマ、ヒョウ、野ウサギの巨大な人形が登場すると、スクリーンにはモスクワ五輪の閉会式でミーシャの人形が空に飛び立つ光景が映し出された。寂しげな表情を見せたホッキョクグマが目の前の炎を吹き消すと、大会を見守り続けた聖火も静かに消えた。直後、左目から青色の涙が一粒こぼれた。
東西冷戦下、ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議する米国や日本など西側諸国がボイコットしたモスクワ五輪の閉会式は、観客席に人文字で描かれたミーシャが涙を流す演出が話題を呼んだ。34年後、ソチで開催された雪と氷の祭典は穏やかに終幕を迎えた。
式典はロシアの重厚な文化、芸術に彩られた。ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」がグランドピアノ1台と、62台のピアノによる壮大な調べで奏でられ、ロシアのバレエ最高峰のボリショイ、マリンスキー両劇団も「シェエラザード」の旋律に乗って美しく舞った。[ 写真説明 ]中央のホッキョクグマが聖火を模した火を吹き消した(代表撮影・共同)