ツェゲラー史上初6大会連続メダル
>拡大写真<ソチ五輪:リュージュ>◇9日◇男子1人乗り
イタリアの英雄が偉業を達成した。リュージュ男子1人乗りで3位に入り、冬季五輪の同一種目では史上初めて6大会連続でメダルを獲得したアルミン・ツェゲラーは、観客に向かってガッツポーズを繰り返し「言葉にならない。とにかくうれしい」と悦に入った。
初出場した1994年リレハンメル五輪で銅、98年長野五輪で銀を獲得した。次のソルトレークシティー五輪では4連覇を狙った「帝王」ゲオルク・ハックル(ドイツ)を破って金に輝いた。地元の期待を背負った06年トリノ五輪で連覇し、前回のバンクーバー五輪は銅だった。
03~04年シーズンからW杯総合7連覇を遂げ、あまりの無敵ぶりに「人食い人種」の異名がついた。世界的にはマイナーなリュージュを、母国では誰もが知るような競技にした。敬愛され、今大会は旗手を任された。
近年はハックル氏が代表コーチとして指導するフェリックス・ロッホにW杯の王座を奪われた。「帝王」に並ぶ3個目の金を狙った今大会も、自慢のそり操作で会場を沸かせながら、圧倒的な爆発力を見せつけたロッホに屈した。
40歳で迎えたソチを「最後の五輪にすると決めていた」と明かした。5大会連続メダルで並んでいたハックル氏に悔しそうに拍手されたことが、何よりの「副賞」となった。[ 写真説明 ]リュージュ男子1人乗りで3位になったイタリアのアルミン・ツェゲラー(共同)