競技ガイド
- ◆スノーボードとは
- 1枚の板上にサーフィンのような横乗りスタイルで雪上を滑走する競技。1998年長野大会で男女ハーフパイプと大回転が正式競技となった。02年ソルトレークシティー大会では大回転から2人同時に滑るパラレル大回転に変更され、06年トリノ大会で複数人が同時に滑るスノーボードクロスが追加。今大会から、ジャンプ台や障害物が設置されたコースを滑走しながら技を繰り出し、難度などを争うスロープスタイルが新種目となった。
- ◆競技の見どころ
- 世界で競技人口が増えるにつれ、五輪種目も徐々に増えてきた。今回はスロープスタイルが新たに採用された。「Xゲームズ」のような賞金大会が多く、他の種目のようにW杯の成績が五輪メダルに直結しない。ハーフパイプはアクロバティックな演技、クロスは駆け引きやスピード感が魅力。いずれの種目も理屈抜きで楽しめる。
- ◆日本代表選手とライバル
- 日本勢では男子ハーフパイプの平野歩夢がメダルに最も近い。15歳ながら「ダブルコーク」など大技を身につけ、3連覇を狙うホワイト(米国)を脅かす存在に。昨年世界選手権2位の平岡卓もメダル候補だ。新種目のスロープスタイルは、昨季の種目別総合優勝の角野友基に期待がかかる。アルペン女子の竹内は4大会連続出場。今季W杯で2度の2位をマークしている。
- ◆ルール
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- ◎パラレル大回転、パラレル回転
- アルペンスキーのように旗門の設置されたコースを滑り降り、タイムを競う。「パラレル」とは、2選手が並行するコースを同時に滑る競技方式を意味する。原則的に両コースを1回ずつ滑り、合計タイムで争う。五輪の決勝トーナメントは1対1形式で、2回目は1回目のタイム差をつけてスタートし、先にゴールした方が勝者となる。スキー同様、大回転に比べ新種目の回転は旗門間隔が狭い。
- ◎ハーフパイプ
- パイプを半分に切ったようなU字形の斜面を左右に滑り降りながら、縁から飛び出した際に空中演技を行う。技の内容やジャンプの高さなどを採点して優劣を競う。2回滑り、高い方の得点を採用する。
- ◎スノーボードクロス
- 複数の選手がジャンプ台など障害物がある急カーブの多いコースを同時に滑走し、タイムと着順を争う。選手が接近して滑る様子から「雪上のモトクロス」と呼ばれる。2006年トリノ大会で正式種目となった。
- ◎スロープスタイル
- コースにレール、ジャンプ台などの障害物が設置され、滑走しながら空中技を繰り出す競技。演技の難度だけでなく、総合的な滑走技術が採点対象となる。各ラウンドごとに2回滑る。今大会から正式種目となった。
- ◆歴史
- 1960年代に米国ミシガン州で生まれたとされている。「スノーボード」という名称は、米国とカナダを中心とした北米スノーボード協会発足時、全く新しいスポーツのジャンルとして「スノーボード」という名称に統一したことに始まる。90年、北海道ルスツリゾートスキー場でW杯の一戦が開催されたのを皮切りに、毎年欧州、北米、日本で各一戦が行われるようになり、これらの大会の総合得点でワールドチャンピオンが決定されている。五輪では、98年長野大会から正式種目となった。