頼みの綱500m完敗 男子のメダル絶望的

>拡大写真<ソチ五輪:スピードスケート>◇10日◇男子500メートル

 お家芸で完敗したショックは大きい。500メートルは日本男子の頼みの綱だった。中長距離は世界と勝負にならず、かつて世界記録保持者を出した1000メートルも五輪に出るのがやっと。ソチでの男子のメダル獲得は絶望的となった。

 2006年トリノ冬季五輪でもメダルはなかったが、加藤条治はまだ21歳だった。31歳の長島圭一郎と29歳の加藤に、4年後まで頼るのは酷だ。2人を脅かす若手は育っていない。ある大学の指導者は「みんな2人にはかなわないという気持ちでやっている。早く引導を渡さないといけないのだが…」と苦渋の表情を浮かべる。

 加藤は「自分が結果を出さないと、日本は何もなくなってしまう」と責任を背負い込んで戦ってきた。今季こそ長島が復調したが、昨季までは気の毒なほど1人で重圧を受け続けた。この数年、二枚看板頼みだったつけがいよいよ回ってきた。

 寒冷地でも野球やサッカーのプロチームが進出し、スケートに取り組む子どもが少なくなったとの指摘がある。トップも裾野も地盤沈下が進むスピードスケート。石幡忠雄監督は「選手ではなく、こちらが何とかしなければいけない」と言うが、打開策は見当たらない。[ 写真説明 ]男子500メートルで5位に終わった加藤条治(共同)

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