仙台育英女子・木村、ムソニ欠場乗り越えた涙のV
<全国高校駅伝・女子>◇22日◇京都市・たけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)発着◇5区間(21・0975キロ)
仙台育英(宮城)が、93年以来26年ぶり2度目の男女アベック優勝を果たした。女子は昨年2区2位のケニア人留学生エスタ・ムソニ(3年)を故障の影響で欠く中、3人が区間賞の安定した走りを見せ、1時間7分0秒で優勝した。優勝4回は豊川(愛知)に並び最多。
男子は最後のトラック勝負で吉居駿恭(1年)が倉敷(岡山)の長塩寛至(2年)に競り勝ち、2時間1分32秒で優勝。15年の世羅(広島)以来の男女制覇を達成した。
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メメンバー唯一の3年生、木村主将は、部員15人の気持ちを込めてゴールテープに飛び込んだ。「全員が100パーセント以上の力を出せた」。苦難を乗り越えての優勝に涙があふれた。
主力のムソニが夏の全国総体で、右大腿(だいたい)骨を骨折。チームの雰囲気は沈み、見かねた釜石監督が「優勝はあきらめて、違う目標を設定した方がいいんじゃないか」と声をかけたが、選手は諦めなかった。
昨年は直前の故障でメンバーを外れた小海(2年)が、1区で飛びだした。2区では神村学園のケニア人留学生シンシア(2年)に対し、1年生の米沢を投入。昨年の全国中学総体1500メートル女王は怖いもの知らずの走りで食い下がった。3区の清水(2年)が首位を再奪取すると、4区の1年生山中も区間賞。最後は大黒柱木村が差を広げた。
釜石監督は、4度目で初の日本選手だけでの優勝というトピックには関心を示さなかった。「留学生が覚悟を持って日本に来てくれたおかげで強くなった。エスタ(ムソニ)が腐らずにリハビリをしていた姿が、周りの選手にも影響を与えた」と振り返った。【野上伸悟】