【世界陸上】「委ねられた走り」ウォルシュ激走…未来へつながる1600mリレー史上最高4位
<陸上:世界選手権>◇第10日◇24日◇米オレゴン州・ヘイワードフィールド◇男子1600メートルリレー決勝
【ユージン=佐藤礼征】“マイル侍”が過去最高の4位入賞を果たした。2分59秒51の日本新記録に加えてアジア新記録も樹立。五輪では04年アテネ大会の4位が最高で、世界選手権では03年パリ大会の7位が過去最高だった。“歴代最強”の4人がオレゴンの地で躍動した。
金メダルは2分56秒17の米国、2位はジャマイカ、3位はベルギーだった。
予選に続いて佐藤風雅(26=那須環境)-川端魁人(23=中京大ク)-ウォルシュ・ジュリアン(25=富士通)-中島佑気ジョセフ(20=東洋大)という平均年齢23・5歳の若い布陣で臨んだ。
スタート前の選手紹介で、右手で刀を抜くような“侍ポーズ”を見せた1走の佐藤は、5番手で2走の川端に託した。「いい順位を目標にしていたが流れをつくることができなかった」と悔やむ佐藤。
「前半のスピードが予選に比べてはるかに速かった」と振り返った川端は、1つ順位を下げて6番手でウォルシュにバトンを渡す。
大躍進の立役者が、経験豊富なエースのウォルシュだった。200メートル付近で1人追い抜くと、もう1人抜いて4番手に浮上した。「委ねられた走りをしなければいけなかった。いい順番で渡せればいいと思った」とウォルシュ。アンカーの中島は「相当悔しい。あと1つ上げればメダルだったのに」と悔しがったが、順位を保ってフィニッシュした。
メダルに届かなかったが、来年の世界選手権ブダペスト大会、2年後のパリ五輪に向けて大きな自信になるレースとなった。90年代や2000年代初頭は、近年メダル獲得が続いた400メートルリレーよりも実績を残していた日本のマイルリレー。復活ののろしを上げる4位入賞となった。