【M高史】積水化学の2連覇か?資生堂の復活Vか?/クイーンズ駅伝展望
<M高史が行く クイーンズ駅伝取材レポ(6)>
いよいよ11月27日(日)はクイーンズ駅伝。号砲が迫ってまいりました。今大会に向けて各チームを取材させていただいたり、今年は大会のライブ配信でMCを務めさせていただいたりした中、恐縮ですがM高史的な展望を書かせていただきます。
6区間42.195km(1区7.6km 2区3.3km 3区10.9km 4区3.6km 5区10.0km 6区6.795km)で行われるクイーンズ駅伝。昨年は積水化学が2時間13分03秒の大会新記録で初優勝を飾りました。このタイムは1キロ平均3分09秒になります。区間によって距離も違い、起伏もあり、風などのコンディションも違いますが、応援の際の目安になりますね。
今年、優勝の条件としては気象コンディションにもよりますが、大会記録の更新するくらいハイレベルになるのではと各チームの監督さんは口をそろえます。
取材の中でも「チームに勢いをつける1区、2区」「各チームのエースが集う3区、5区の長距離区間」「意外に差がつきやすい4区」という声が挙がってきました。駅伝の鉄則である序盤の大切さ、エース区間での火花に加えて、3.6kmと2番目に短い4区も大切です。エース区間である3区と5区に挟まれている上に、外国人選手が出場できる区間でもあります。日本人のみのチームはチーム6番手の選手が配置されることが多いことで、短いながらも差がつきやすいと対策をしているチームも。
また、5区でトップに立ったチームがそのまま6区で逃げ切って優勝というレースが毎年続いていますが、今年のプリンセス駅伝では最終6区でラスト300メートルでの逆転でパナソニックが優勝したように、最後の最後まで何が起きるわからないのが駅伝の魅力ですね!
前回初優勝の積水化学は新谷仁美選手が好調。前回、初優勝のフィニッシュテープを切った佐々木梨七選手も調子を上げてきています。また、鍋島莉奈選手がキーポイントになる面白い存在と積水化学・野口英盛監督もお話しされていました。
前回2位で今年こそ優勝を狙う資生堂は世界陸上日本代表の五島莉乃選手、苦しい時期もチームを支えてきた高島由香選手、スピードランナーの木村友香選手、さらには一山麻緒選手も加わり、強力布陣。
2019年、20年と連覇したJP日本郵政グループは広中璃梨佳選手、鈴木亜由子選手の2大エースに、主将の太田琴菜選手、入社2年目の小坂井智絵選手も力をつけ全員駅伝で挑みます。
豊田自動織機はもしも1区に田中希実選手、2区に後藤夢選手が走った場合、序盤からハイペースになってレースの流れも変わってくるのではないかと予想される監督さんも。
マラソンでMGCを決めた選手からトラックの中距離が得意な選手まで活躍できる距離設定ということで、普段はなかなか同じ種目を走らない選手たちが並走するシーンも見られるかもしれませんね。さらに、優勝争いとともに、来年の予選免除となるクイーンズエイト(8位以内)入りも熾烈(しれつ)な争いになりそうです。予選であるプリンセス駅伝があるのとないのでは、1度ピークを作らなければいけないので、1年のスケジュールが変わったり、クイーンズ駅伝に向けての調整の難しさもあります。
「1区、2区で出遅れは回避したいところ」「3区と5区にエースを置きたい」「でも1区での出遅れは阻止したい」「1区がスローペースになったら、エースを配置したのにもったいない」など、駆け引き、戦略も、駅伝の魅力ですね。
前回優勝の積水化学か? 今年こそ優勝を狙う資生堂か? 19、20年連覇のJP日本郵政グループ王者返り咲きなるか? ここでは挙げきれなかったチームも虎視眈々(たんたん)と頂点を狙っています。
故障や体調不良がないよう皆さん万全なコンディションで現状打破してほしいです。いよいよ27日、クイーンズ駅伝号砲です!
◆M高史(えむ・たかし)1984年生まれ。駒沢大学陸上競技部出身のものまねアスリート芸人。幅広い分野で活動するほか、陸上競技、駅伝関連で精力的な取材、執筆活動を行っている。フルマラソンのベストタイムは2時間40分34秒。