【高校駅伝・女子】仙台育英、連覇あと1歩 14秒差準Vも杉森主将「最強の5人で走れた」
<全国高校駅伝・女子>◇25日◇たけびしスタジアム京都発着(女子5区間21・0975キロ)
女子の仙台育英(宮城)は93、94年以来の2連覇に、あと1歩届かなかった。優勝した長野東と14秒差の1時間7分51秒で準優勝。2区で首位に浮上し、最終5区で逆転を許したものの、6年連続で3位以内を守った。3年連続出場の杉森心音主将(3年)は1区を19分24秒で力走し、チームを勢いづけた。
◇ ◇ ◇
都大路2連覇への挑戦は涙の準優勝で幕を閉じた。女子の仙台育英アンカー細川あおい(1年)は長野東の背中を必死に追いかけたが、無念の2位フィニッシュ。14秒差に泣いた。レース後、大役を務めた細川の目から涙があふれた。1区から4区まで、いずれも区間2位。最終5区も区間6位(日本人1位)でまとめた。杉森は「最強の5人で走れた」と全員が持てる力を発揮。「悔しいですが、やるべきことはすべてやってきたので、素直に長野東の優勝をたたえたいです」と結果を受け止めた。
杉森はエース区間の1区6キロで先頭集団を引っ張った。終盤まで「なかなか離れないな」と我慢比べの展開だったが、残り1キロ付近でペースを上げてトップに浮上。同300メートル付近のラストスパートで競り負け、目標タイムから15秒近く遅れて区間2位となるも、後続を勇気づける快走を見せた。
仙台育英は過去5大会で輝かしい成績を収めてきた。17年優勝、18年3位、19年優勝、20年3位、21年優勝。表彰台圏内を死守も、93、94年以来、2連覇を果たせていなかった。杉森もその重圧に押しつぶされそうになったが、「こういうプレッシャーを感じられるのは私たち仙台育英チームだけ。逆にプレッシャーや不安を喜びや感謝とか幸せに感じて」と思考を変え、今大会に臨んだ。
1年時から名門の主力で3年時に主将を務めた。けがや不調で「釜石(慶太)先生に迷惑をかけることもいっぱいあった」。だからこそ「優勝して釜石先生に恩返ししたかったですが、2位というのを『みんなで頑張ったね』とたたえ合えるようにして、1、2年生には来年につなげてもらいたいです」。高校卒業後、杉森は日本郵政グループで競技を続ける予定。再び都大路で優勝を目指す後輩たちに刺激を与えるためにも、実業団でたくましく成長する。【山田愛斗】
仙台育英(女子)・釜石慶太監督(35=6年連続の表彰台に)「1、3、1、3、1(位)と来て、3番ではなく2位だったのは『何か釜石勉強しろよ』ということだと思うので、私が一番おごらずに頑張っていけたらなと思います」