【陸上】アジア大会2種目銀の廣中璃梨佳「世界と戦いたい、もっと強くなりたい」パリ五輪へ決意

  • 杭州アジア大会から羽田空港へ帰国した陸上女子の広中(左)と陸上男子の上山(撮影・藤塚大輔)

陸上女子の廣中璃梨佳(22=日本郵政グループ)が杭州アジア大会(中国)の5000メートル、1万メートルの両種目で銀メダルを獲得した経験を糧に、来夏のパリオリンピック(五輪)へと突き進む。

6日、羽田空港に凱旋(がいせん)帰国。2つの銀メダルを首にさげながら「(12月10日の)日本選手権(兼パリ五輪選考会)へ続いていくので、気持ちを切らさず、まずは継続的に走っていくことを大切にしながら合わせていきたい」と見通した。

8月下旬の世界選手権(ハンガリー・ブダペスト)1万メートルで7位入賞を果たした廣中は、米コロラド州ボルダーでの合宿を挟み、アジア大会へ出場。「1万メートルは不安もありながら、後半5000メートルで自分らしい走りができた。それが自信につながって5000メートルでも積極的に走ろうと思えた」。その5000メートルでは先頭で最後の直線へ入るも、ゴール手前でP・チャウダリ(インド)に逆転を許した。「ラスト20メートルですごく悔しい負け方をしてしまったけど、それも1つの経験として、自分の中では経験値が上がったアジア大会だった」と受け止めた。

今季は2月に左アキレス腱(けん)痛を発症。6月の日本選手権は5000メートルで21位に沈んだ。そんな中、夏以降のブダペスト大会、アジア大会で結果を示した。「4月からなかなか思うように結果が伸びずに苦しんだ時期もありましたが、世界陸上、アジア大会で2種目戦えたことに自信を持ちたい」と笑顔でうなずいた。

約2カ月後の12月10日には、1万メートルの日本選手権(東京・国立競技場)が控える。パリ五輪の参加標準記録(30分40秒00)を突破した上で優勝すれば、選考要件を満たす。

「世界陸上が終わって、もう1段階でも、2段階でも、世界と戦いたい、もっと強くなりたいと思った。持久力はだいぶついてきたかなと思うので、スピード面を強化していきながら2カ月でできることをやっていきたいです」

アジア大会を「楽しみながら走れた」と振り返った廣中。東京五輪に続く五輪代表へ、さらなる強さを追い求めていく。【藤塚大輔】