3年連続金メダルへ北京でスタート
競歩 鈴木雄介
最初にして最大の難関
- ホクレン中長距離チャレンジ・5000メートル競歩 夏のレースで水をかぶりながらレースする鈴木雄介
-世界選手権北京大会が近づいてきました。世界記録保持者として臨む今大会の目標は何ですか
鈴木 金メダルを目指すことです。僕の一番大きな目標は、北京大会、来年のリオ五輪、17年世界選手権ロンドン大会と、3年連続で金メダルをとること。そのために、最初の関門である、北京をクリアしないといけないと思っています。3年連続金メダルのスタートという位置付けでやっていきたいです。
-日本勢で競歩のメダルを獲得した選手はいません。北京の金メダルが、その後の足がかりということですね
鈴木 北京が最初にして、最大の難関ととらえています。ここで金をとれないと、目標は一気に消えてしまいます。
-7月にはホクレン中長距離チャレンジに調整レースとして出場しました。7月12日の北見大会は5000メートル競歩で18分37秒22、同16日の網走大会は1万メートル競歩で38分10秒23。5日間で、2つの日本記録を樹立しています
鈴木 5000メートルは序盤に少しかみ合わず、重たいなと思っていました。スピード練習を積めていない中だったので、日本記録は狙っていませんでした。記録を出す時は、もっと最初にポンとレースに入れます。5000メートルは、最初の1キロが最も遅いぐらいでした。まだスピードを出す感覚が出てきていなかったです。いまから調子を上げていくところなので、調子を崩さずにいけば、金メダルも見えてくると思います。
世界選手権10番台では「何の意味もない」
- ホクレン中長距離チャレンジ・5000メートル競歩 世界選手権代表の高橋英輝(左)と競いながら歩く鈴木雄介
-世界を意識したのはいつごろですか。
鈴木 小学校のころからスポーツ選手になりたいと考えていました。当時は人気があるサッカーを考えていたけど、何でもいいからスポーツ選手になって、世界で活躍したいと思っていました。
-大会に向けた調整(ピーキング)の重要性をどう考えていますか。
鈴木 13年の世界選手権モスクワ大会は、ピークを迎えるのが早すぎました。当時は世界ランク1位で臨みましたが、大会の1カ月前に調子が上がりすぎて、モスクワに入った時点で下降気味でした。本番では完全に調子を落としてしまった(結果は12位)。モスクワではピーキングの大切さを学びました。今回はその部分を改善しようという意識でやってきています。
-ここまでは順調ですか
鈴木 ここまではうまくいっています。ただモスクワ以降で世界大会は今回の北京が初めてで、まだ2年しかたっていません。今回も試しながら、という部分はあります。ピーキングはいろんな方法を試して、答えを探していくもの。どんな大会でも、ベテランになっても、答えは見つからないものじゃないかと思います。とにかく試していくしかないです。
-世界選手権は、09年ベルリン大会42位、11年大邱大会8位、13年モスクワ大会12位。12年ロンドン五輪は36位でした。
鈴木 世界選手権に出て、10番台に入る。それでは何の意味もないと思っています。今は、確実にメダルをとれる実力がついている。金メダルを目指していきたいと思っています。
鈴木雄介(すずき・ゆうすけ)
1988年(昭63)1月2日、石川県能美市生まれ。石川・辰口中で競歩を始め、小松高から順大をへて、富士通。なめらかで無駄のない歩型を持ち、失格の経験はなし。趣味はカラオケ。171センチ、58キロ。