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注目選手

インタビュー・北京ではばたけ

 陸上の世界選手権北京大会が8月22日、開幕します。ニッカンスポーツ・コムでは「北京ではばたけ」と題して世界に挑む注目選手を紹介します。第1回は、男子20キロ競歩の鈴木雄介(27=富士通)を取り上げます。3月の全日本競歩能美大会(石川)で、1時間16分36秒の世界新記録を樹立。男子では1965年男子マラソンの重松森雄以来、50年ぶりの快挙を達成しました。優勝候補筆頭として臨む北京大会では金メダルを狙う鈴木に大会に向けての意気込みなどを聞きました。【取材・構成=益田一弘】

3年連続金メダルへ北京でスタート

競歩 鈴木雄介

最初にして最大の難関

ホクレン中長距離チャレンジ・5000メートル競歩 夏のレースで水をかぶりながらレースする鈴木雄介
ホクレン中長距離チャレンジ・5000メートル競歩 夏のレースで水をかぶりながらレースする鈴木雄介

-世界選手権北京大会が近づいてきました。世界記録保持者として臨む今大会の目標は何ですか

鈴木 金メダルを目指すことです。僕の一番大きな目標は、北京大会、来年のリオ五輪、17年世界選手権ロンドン大会と、3年連続で金メダルをとること。そのために、最初の関門である、北京をクリアしないといけないと思っています。3年連続金メダルのスタートという位置付けでやっていきたいです。

-日本勢で競歩のメダルを獲得した選手はいません。北京の金メダルが、その後の足がかりということですね

鈴木 北京が最初にして、最大の難関ととらえています。ここで金をとれないと、目標は一気に消えてしまいます。

-7月にはホクレン中長距離チャレンジに調整レースとして出場しました。7月12日の北見大会は5000メートル競歩で18分37秒22、同16日の網走大会は1万メートル競歩で38分10秒23。5日間で、2つの日本記録を樹立しています

鈴木 5000メートルは序盤に少しかみ合わず、重たいなと思っていました。スピード練習を積めていない中だったので、日本記録は狙っていませんでした。記録を出す時は、もっと最初にポンとレースに入れます。5000メートルは、最初の1キロが最も遅いぐらいでした。まだスピードを出す感覚が出てきていなかったです。いまから調子を上げていくところなので、調子を崩さずにいけば、金メダルも見えてくると思います。

世界選手権10番台では「何の意味もない」

ホクレン中長距離チャレンジ・5000メートル競歩 世界選手権代表の高橋英輝(左)と競いながら歩く鈴木雄介
ホクレン中長距離チャレンジ・5000メートル競歩 世界選手権代表の高橋英輝(左)と競いながら歩く鈴木雄介

-世界を意識したのはいつごろですか。

鈴木 小学校のころからスポーツ選手になりたいと考えていました。当時は人気があるサッカーを考えていたけど、何でもいいからスポーツ選手になって、世界で活躍したいと思っていました。

-大会に向けた調整(ピーキング)の重要性をどう考えていますか。

鈴木 13年の世界選手権モスクワ大会は、ピークを迎えるのが早すぎました。当時は世界ランク1位で臨みましたが、大会の1カ月前に調子が上がりすぎて、モスクワに入った時点で下降気味でした。本番では完全に調子を落としてしまった(結果は12位)。モスクワではピーキングの大切さを学びました。今回はその部分を改善しようという意識でやってきています。

-ここまでは順調ですか

鈴木 ここまではうまくいっています。ただモスクワ以降で世界大会は今回の北京が初めてで、まだ2年しかたっていません。今回も試しながら、という部分はあります。ピーキングはいろんな方法を試して、答えを探していくもの。どんな大会でも、ベテランになっても、答えは見つからないものじゃないかと思います。とにかく試していくしかないです。

-世界選手権は、09年ベルリン大会42位、11年大邱大会8位、13年モスクワ大会12位。12年ロンドン五輪は36位でした。

鈴木 世界選手権に出て、10番台に入る。それでは何の意味もないと思っています。今は、確実にメダルをとれる実力がついている。金メダルを目指していきたいと思っています。

鈴木雄介(すずき・ゆうすけ)

鈴木雄介

1988年(昭63)1月2日、石川県能美市生まれ。石川・辰口中で競歩を始め、小松高から順大をへて、富士通。なめらかで無駄のない歩型を持ち、失格の経験はなし。趣味はカラオケ。171センチ、58キロ。

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