桑木志帆が国内メジャー初制覇 全試合帯同する父が今季3勝の躍進の理由明かす
<国内女子ゴルフツアー:ツアー選手権リコー杯>◇最終日◇24日◇宮崎県宮崎CC(6497ヤード、パー72)◇賞金総額1億2000万円(優勝3000万円)
桑木志帆(21=大和ハウス工業)が3バーディー、3ボギーの72をマークし、通算12アンダーの276で初日からの首位を守る完全優勝で国内メジャー初優勝を飾った。ツアー通算3勝、国内メジャーは初制覇となった。
桑木の父・正利さん(67)が会場でメジャー初優勝を見届けた。「初Vみたいな感動はないですが、メジャーで4日間逃げ切ったのはすごい。出来過ぎでしょう」と照れくさそうに褒めた。
正利さんはツアー全試合に帯同している。今季は初Vからメジャーを含む3勝を一気に挙げた主な要因を明かした。
まずはトレーニングと体のケアだ。普段のトレーニングを増やし、ドライバー飛距離が約20ヤードアップ。また、今季からトレーナーが隔週でツアーに帯同した。正利さんは「会場でもしっかり体のケアをできたことが大きい」と話す。関東近郊の試合では、トレーナーの拠点から徒歩数分以内に宿を取り、いつでも体のメンテナンスができる態勢を整えた。
精神面の成長も大きい。昨年からメンタルトレーニングに取り組む。正利さんによると「人の成功を祝って、それを自分の気持ちに落とし込む」という言葉がキーワード。他の人のいいプレーには「おめでとう」と言って「次は自分も」と気持ちをしっかり切り替えることができていたと話す。「昨年は悔しくて泣くこともありましたが、1打1打くよくよしなくなった。プレーも前はまぁいいや、ということがありましたが、今は耐えて次、と我慢強くなった」と成長に目を細める。
性格は変わらない。負けず嫌いで練習は自分が納得するまで徹底的に行う。大会中も日暮れ近くギリギリまで残ることが多い。正利さんも「練習の虫です」と認める。宿泊先で別の部屋の正利さんと基本LINEでやりとりする。正利さんは「会話はないですよ。今どきの子はそんな感じじゃないですか」とおおらかに笑う。
さまざまなサポートの中で、心身ともに成長した今季を締めくくるメジャーV。正利さんは「ある意味、集大成です」と感慨深げに話した。【近藤由美子】