石川祐希、屈辱の予選敗退「これを成長にしないと」
<バレーボール:男子リオ五輪世界最終予選>◇5日◇東京体育館
リオ五輪の出場権を逃した世界ランク14位の日本は、同10位のフランスに3-0でストレート勝ちした。2勝5敗(勝ち点6)の7位で、全日程を終えた。五輪切符が与えられるアジア最上位の1枠は全体2位に入ったイランが、その他の上位3枠はポーランド、フランス、カナダがそれぞれ獲得した。
石川祐希(20=中大)にとっても悔しい最終予選となった。五輪切符を逃した2日のオーストラリア戦で右足の腓骨(ひこつ)筋を痛め、この日を含めた最後の2戦は出場もかなわなかった。タイムアウトではウオーミングアップエリアから1番に飛び出していき、仲間とハイタッチして士気を上げようと努めた。
「負けて学ぶこともたくさんある」。感じたのは自分のベストパフォーマンスを出すための方法だ。五輪がかかった大一番、「重圧はなかったけど、試合に入ったら(意識が)変わってしまう部分があった」と、目に見えない難しさを知った。同時に、自分を見つめなおす機会にもなった。「苦しいときに結果につなげるには、ベストを出すこと。ベストを出すためには、自分は楽しむこと。そこを変えないようにしていきたい」。悔しさを押し殺し、淡々と話した。
五輪を逃した失望は大きいが、前を向くしかない。「いい経験をした。これを成長にしないと負けた意味がない。僕は点を取るポジション。そこを頑張っていきたい」。4年後には東京五輪がやってくる。あの時負けてよかったと笑えるように。若きエースの目に力がこもっていた。