東海大仰星連覇へ執念、決勝前日スクワット144回

 全国高校ラグビー大会は今日7日、大阪・花園ラグビー場で決勝が行われる。2連覇を狙う東海大仰星(大阪第1)は今季3冠にあと1勝と迫る東福岡にぶつかる。6日は大阪・枚方市内の同校で、ミーティングを含む約4時間半の練習を行った。付属中の部員約50人も参加し、締めは恒例の「全員スクワット」。試合前日ながらフランカー山田生真主将(3年)は「1人1回」と声をかけ、人数分となる144回のスクワットで結束を再確認した。

 「生真~。これで明日走られへんかったら怒るからな!」。3年生にとって東海大仰星のグラウンドで過ごす最後の日。締めは湯浅大智監督(35)のツッコミだった。手をつないだ144人が笑っていた。時計は午後2時半を回っていた。午前10時からミーティング。同11時からの練習に付属中の部員約50人も駆けつけた。東福岡戦を想定した練習も全員で行うのが仰星流。「小学校の選抜とやるんか? ちゃうやろ! ヒガシとやるんちゃうんか!」。湯浅監督の怒号を中学生も受け止めた。練習は4時間半に及んだ。最後に山田は仰天指令を出した。

 「1人1回、いきましょ~う!」

 公式戦前日練習の最後は恒例の「全員スクワット」。ケガで片足を満足に使えない部員、女子マネジャー、付属中の部員、制服を着た学生カメラマン…。144人が手をつないで輪を作り、数字を叫びながら腰を上下した。「ヒャクヨンジュ~ヨ~ン!」。山田は「144人の思いを背負う覚悟が決まった」と言い切った。下半身にたまるであろう疲労より、団結の再確認を迷うことなく選んだ。

 連覇を目指す立場だが、東福岡は「歴代最強」といわれる難敵だ。湯浅監督は「どちらが多く立っているか」と焦点を語った。素早く起き上がり続けることは、個々の意識次第。勝利への執念と意地が直結する。山田は「みんなの思いは伝わっている」とうなずいた。25人の戦士は、力尽きるまで走り抜く。【松本航】

 ◆前回大会準決勝VTR 昨年1月7日に高校3冠を狙った東海大仰星が連覇を目指した東福岡と激突。前半3トライ2ゴールの19-3も後半に猛追を食らって3トライを許した。ロスタイムは3分を超える攻撃を自陣で耐えしのぎフランカー山田(現主将)がセービングでボール奪取に成功。2点リードを守りきった。

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