古川学園4強進出 1年生の熊谷が多彩な攻撃を演出

  • トスを上げる熊谷
  • 準々決勝 古川学園対鎮西 第2セット序盤、古川学園のバルデス・メリーサがバックアタックを決める

<全日本バレーボール高校選手権(春高バレー):古川学園2-0鎮西>◇女子3回戦、準々決勝◇7日◇東京体育館

女子第2シードの古川学園(宮城)が、準優勝した昨年に続きベスト4進出を決めた。1日2試合を戦うこの日、3回戦で奈良文化、準々決勝で鎮西(熊本)をストレートで撃破。1年生セッター熊谷仁依奈が多彩な攻撃を演出し、勝利に貢献した。

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古川学園が、順当に4強へ勝ち名乗りを上げた。準々決勝の鎮西戦は第1、第2セット(S)ともに終盤で点差を広げ、勝利をたぐり寄せた。第1Sは19点目まで競り合ったが、ミドルブロッカー三好愛未(3年)の右ブロックで勝ち越して逆転勝ち。第2Sも18点目から先行し、逃げ切った。初戦(6日)の日立二戦は苦しんでのフルセット勝ち。岡崎典生監督(52)は「苦しい場面もあったが、よく最後まで上げた」と熊谷のトスワークを評価した。

頼れる1年生だ。熊谷は、初戦でエースのバルデス・メリーサ(3年)に頼り過ぎ、攻撃が単調になったことを反省。試合後に、宿舎で同室のメリーサと話し合い「自分が引っ張るつもりでやれた。ミスしても勝つことだけを考えた」と、心身ともに前を向く。序盤からトスを分散して相手ブロックをほんろう。メリーサら3年生アタッカー5人の多彩な攻撃につなげた。2枚セッターだった秋田・仙北中ではアタッカー兼任。要所で2段攻撃のフェイントも決め、ジャンプトスも披露した熊谷は「気持ちに余裕ができブロックやスペースを見ることができた。アタッカーの経験が生きました」と、わずか1日で覚醒した。

メリーサも、奈良文化戦の19得点に続く計20得点でチームをけん引。昨年度、決勝で敗れた悔しさを知るメリーサは「(最上級生になって)去年の3年生の気持ちが分かった。負けたら終わり。最後の試合だと思って全力でやる」と闘志を燃やす。明日9日の準決勝は就実(岡山)と戦う。岡崎監督は「攻撃では負けない。拾い負けないようにしたい」と2年連続9度目の決勝進出を狙う。【佐々木雄高】

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